出版社:葦書房
発行日:1996年5月初版
ページ数:165P
編者:朝日新聞福岡本部
定価:1,400円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「花見櫓・月見櫓・潮見櫓の真贋話や天守台跡地から発見された8000年前の土器など、様々な築城エピソードを中心に、更に筑前高取焼や長崎警備、貨幣政策についても専門家が豊富な資料を駆使して論じる。 」
本書は、朝日新聞社が福岡版で1993年3月から193回にわたって掲載した「新・はかた学・近世編」の出版三部作の最後となるものです。文字通り、様々な築城エピソードが核となっています。ほかには、藩主に重用された筑前高取焼、幕府の鎖国政策に従って藩士たちが赴いた長崎警備、経済の基軸となった貨幣政策について専門家が豊富な飼料を駆使して論じています。
カテゴリー: 九州・沖縄
西国の城 下巻=原城・熊本城・首里城他
西国の城 上巻=秋月城・佐賀城・萩城他
沖縄の城郭
出版社:緑と生活社
発行日:1982年8月初版
ページ数:513P
著者:新城徳祐
定価:4,500円+税
オススメ度:★★★★☆
書評:
「郷土に生まれ育って郷土を知らないということは誠に恥ずかしいことである。というのは、昭和5年の夏休みの頃とおぼえているが、沖縄県立第一中学校の兼島由明先生が数人の学生を引率されて今帰仁村の今泊に来られ、『北山城跡を案内して呉れ』といわれたので、当時、今泊部落の青年団長をしていた筆者が案内することになった。ところが、いろいろと質問があって満足に説明することができず、大変心苦しい思いをしたものであった。それからは郷里の大先輩の島袋源一郎先生や古老たちから話を聞いたり、調べたりしたものであった。このようなことが動機になったのであろうか、1955年の9月に文化財保護委員会に就職することができ、主として史跡と民俗芸能を担当することになった。」
本書は、文化財保護委員を務められた著者が沖縄の城跡についてまとめたものである。著者は序の中で調査不十分と謙遜してはいるが、沖縄の城郭をほぼ網羅している書籍は他にないのである。縄張図まではいえないが平面見取図か、または写真が各城にあり、現在では徐々に薄れていく各城の歴史を書き留めていることは貴重であろう。沖縄の城郭を調査する際は必携の一冊。