全国唯一の市営発電事業

9月になって新しくなった展示を2館見てきました。
「特別展 写真家・松原茂の世界」 金沢くらしの博物館
金沢くらしの博物館では「写真家・松原茂の世界」を開催中です。金沢市出身の松原茂は兼六カメラクラブを主催し、県内の活動写真家として活躍しました。その写真から厳選して今回は展示されています。昔の県内を懐かしむ人が何人も来ていました。
「金沢・石川の伝統工芸」 中村記念美術館
そして、現在中村記念美術館で開催されているが、金沢市営発電事業90周年記念特別展の「金沢・石川の伝統工芸」です。金沢市は全国で唯一の市営発電事業を行っており、現在、上寺津発電所、新辰巳発電所、新寺津発電所、新内川発電所、新内川第二発電所の5つの水力発電所を運営しています。
その発電事業利益の一部を地元工芸作家の作品の購入に宛てており、その一部が今回展示されています。人間国宝10名の作品を含んでおり、現在は市営の中村記念美術館、安江金箔工芸館、卯辰山工芸工房、21世紀美術館の所蔵となっています。よく展示されている作品もありますので、見たなーというものも含まれていますが、一堂に展示されている貴重な特別展です。

9月例会 「日記にみる加賀藩の武士の暮らし」

広坂別館で9月例会が行われました。
9月例会 「日記にみる加賀藩の武士の暮らし」
本日は、前田土佐守家資料館の学芸員である竹松さんによる「日記にみる加賀藩の武士の暮らし」というテーマで、加賀藩の下級武士であった中村豫卿の日記「起止録」について紹介されました。
今日紹介されたのは安政2年の11月。江戸で安政の大地震が起こった翌月の日記です。金沢でも東別院の火事騒ぎなどあったにしては、何か悠長な感じの日記でした。昔の方はおおらかに生きていたんですね。
翻刻は「金沢大学学術情報リポジトリ」から論文を見ることができます。探してみましたので、参考にしてください。
『起止録』 安政2年 [翻刻・校註]
「起止録」解説(嘉永二年)