列名を「ID」とすると勝手にシーケンス列になるバグ Access2010

Access 2010 ADPファイル形式ではデータベースにSQL Serverを使用する。
SQL Server で複数テーブルを連結したビュー(Accessではクエリに表示される)を作成すると、ある条件で有り得ないバグが発生するのでその報告。
MDBでオートナンバーと言っていた自動シーケンス機能は、SQL Serverでは「Identityの指定」で設定する。複数のテーブルを連結したビューは、Accessでは「固有のテーブル」に編集するテーブル(以下、メインテーブルと呼ぶ)を指定することで変更できるようになるのが、特定の条件でこのバグは発生する。
・メインテーブルに「ID」という名称の列を作成する。「Identity」には指定しない。
・LEFT JOINされるサブテーブルにメインテーブルから2つ以上の列で連結する。
こうして作成したビューをAccess 2010で使用すると「ID」列が勝手にシーケンス列(Identity)になり、新規行の「ID」列に「(新規)」と表示される(本当は空白のまま)。
こうなると、「ID」列には値を代入できなくなる上に、シーケンスされないので行挿入も失敗してしまう。
いろいろ調べてみたが、問題は予約語(に近い?)になっている「ID」という列名のようだ。
このバグは以下の状況では発生しない。
・Access 2007では上記と同じビューでも正常に動作する。
・「ID」列があっても、LEFT JOINされるサブテーブルがすべて1つの列で連結されている。
・「ID」列を「明細ID」など別の名称に変更する。
「ID」という列はMDBやACCDBでは、作成すると自動的に「長整数型」がデフォルト値になる設定がオプションにある。ADPにはこのオプションはないが、このファイル形式は2003以降大幅に変化しておらず、リボンが追加され、VBAが強化されたバージョンであるので、内部的にどこか辻褄が合わないのだろうか。2007では発生しておらず、2010で埋めこまれてしまったバグなのは残念だ。