アントレプレナーDo it 第3回

独立心構え10カ条」という内容でアントレ編集企画グループ ゼネラルマネージャーの高橋陽一郎氏の講演でした。まず出席者のアンケートがあり、680人もの人が参加していることが分かりました。以下、要点をメモします。
1.あなたにとって「成功」とは何ですか?
 何をもって成功をするか、まず設定しないと成功したかどうか判断できない。WHAT(やりたい)、CAN(できる)、MUST(しなければいけない)の3要素のうち、従業員のときはMUSTの比重が高いが、経営者になったならWHATの比重を高めないと意味がない。創業当時にうまく行かないとCANとMUSTの比重が高くなる傾向があるが、夢を思い出して欲しい。
2.どうすれば「成功」しますか?
 物ではなく、その先にあるお客様の何を解決したいのか、その方法を提供する。常に一般人の目線でニーズを探す。
3.ゼロから自分でビジネスを創りますか?
 既に成功しているモデル(FCや代理店)に加わるという手もある。
4.あなたの商品・サービスは何ですか?
 商品・サービスはできた瞬間から劣化が始まる。つまり、他社にまねされたり、お客様にあきられる。常に商品やサービスの新しいコンセプトを提示できるのが企業の仕事である。
5.相談するパートナーはいますか?
 信頼して相談にのってくれる仲間、ついてきてくれる仲間をつくる。
6.資金の算段はついていますか?
 リスクに思うことがあれば数字で表してみると、漠然とした不安が現実的な目的に変わる。
7.人を使いますか?人を使わずにやりますか?
 人を使うときの責任は重いものであるが、1+1が2以上になるので、事業を加速させるときは人を雇うことは重要。伸びる会社は経営者と従業員が同じ夢を目指している。逆に伸びない会社は従業員は経営者の顔色ばかりを窺う。
8.どうやってお客様をつかみますか?
 自分の言葉より、お客の声をお客様に伝えるのが効果的。
9.競争相手は誰ですか?その相手は何が勝っていますか?
 強みは、1.価格、2.差別化、3.集中化のいずれにあるか。徹底的な低価格戦略、他社にない商品・サービス、他社には真似できない専門性、どれをアピールするか。
10.プレッシャーを楽しめますか?
 やりたいことをやらないことも、またリスクである。経営は思い込みの戦略と偶然の産物としての結果である。ある程度の割り切りがない人は経営者には向かない可能性がある。
アントレという雑誌を通して、創業・独立に対して何年も間近に接してきた高橋氏だけあって、要点や指摘はとても的確で分かりやすいものでした。

アントレプレナーDo it 第2回

雇用・能力開発機構の「創業・経営改革セミナー」の第2回目に参加してきました。今回は前回の講演会より少し人数が減りました。毎年講演会だけ聞きに来る常連でもいるのでしょうか。
今回は「創業に成功する人・失敗する人」。講師は株式会社メンターバンクの籏禮氏です。概要をメモします。
・成功に必要なものは、1.チャレンジする心、2.ビジネスプランの社会性。
・夢や使命感を共有できる仲間を得ることが成功への近道。
・ビジネスプランの社会性とは、1.人々の夢の代行、2.人々の不安の代行、3.人々の社会奉仕の代行。
・「共感」に基づいた事業展開は成功する。「自己満足」に基づいた事業展開は失敗する。
・起業家の精神とは、「いつ、いかなる状況でも今できることを全力でやる」。
内容としては一般的です。もっと籏禮氏自身の経験の話を聞きたかったです。前回の松井氏のような驚く話がもっと欲しかったと思います。

アントレプレナーDo it 第1回

雇用・能力開発機構の主催する衛星放送を使った「創業・経営改革セミナー」に参加してきました。金沢だけでも30人ほどの人がおり、予想以上の人数に驚きました。
第1回は、松井証券株式会社の代表取締役 松井道夫氏の講演会でした。「革命期における経営論」という演題でしたが、内容は情報革命時代における社長の役割と会社運営についてでした。
要点をメモします。
・お客様に認められないもの(つまりお金を払う価値がないもの)は「虚業」に他ならない。そういう分野は捨てて、お客様に認められる「実業」に振り替えるのがリストラである。
・情報革命により、企業が囲い込みによりお客様を選んだ時代から、お客様が企業をいいとこ取りする時代に変わった。
・過去の栄光や業界の慣習に縛られず、時代とのギャップを埋めることができる企業のみがお客様から選ばれ、生き残っていく。
社長の決断とは、やってみないとわからないことを誰に相談することなしに決断することである。成績は利益の数字のみによって評価される。「コーポレートガバナンス」を標榜する企業も多いが、社長に決断を一任し、失敗とともに退任させるぐらいの義務と責任を委任していなければいけない。
・これからの時代、社長や後継者に誰がいいとは言えない時代。やってみないとわからないことをできる人でなければいけないから、結果は利益を見るしかない。
・社員には業務を頑張れとは絶対に言わない。頑張らなくてもよい方法を頑張って考えるように言う。
非常に示唆の多い言葉が並びます。話の中では社長の心構えを、松下幸之助の言葉を引用していました。
執念(主体性)あるものは可能性から発想する
執念(主体性)なきものは困難から発想する