金沢市立中村記念美術館 冬季展「美術工芸に見る 文様の美」

雨模様の土曜日ですが、今週は予定もないので金沢の美術館・博物館めぐりです。今日も年間パスポートが大活躍です。
金沢市立中村記念美術館
一件目は石川県立図書館裏にある中村記念美術館です。今回は冬季展「美術工芸に見る 文様の美」を鑑賞しました。中でも「祇園祭礼図屏風」は京の祇園祭の山鉾巡行を描いた屏風で、制作期は江戸後期のものですが、祭りに熱狂する人々が繊細に描かれています。他には、新しいものながら「竹取物語絵巻」がすばらしいものでした。
金沢市立中村記念美術館
美術館前の古建築はいつも何かなと思いながら前を通っていましたが、ここは中村美術館の創設者である中村酒造の中村栄俊氏が私設美術館を始めた場所であるそうです。知らなかったなあ。
金沢市立中村記念美術館

金沢市立安江金箔工芸館 冬季展「”めでたいもの”尽くし」

先日年間パスポートを購入したことですし、金沢駅前に来ましたので昼休みに安江金箔工芸館に行ってきました。初めて行って来ましたが、場所がわかりにくいですね。
金沢市立安江金箔工芸館 冬季展「
平日の昼とあって、他のお客さんも居なかったのでゆっくりと鑑賞しました。2階が展示室となっており、冬季展「”めでたいもの”尽くし」の展示品を見た後、1階の受付横の部屋で金箔の製造工程に関する説明を受けました。
金沢市立安江金箔工芸館 冬季展「
説明の後、別の部屋で金箔入りのお茶と和菓子をいただき、金箔の製造工程の一部を見せていただきました。金箔に関する日頃の疑問について話を聞きました。
金沢箔は日本でシェア99%、とは本のタイトルにもなっている有名な話ではありますが、
残り1%は何処だろうか?・・・
と思いませんか。
現在は金沢近郊でも個人宅で金箔製造をしているところはほとんどないそうで、金沢サティ近くの箔団地に集まって作業をしているそうですが、一時金沢で箔打ちを学んだ人が滋賀や富山で製造をしていたことがあるそうです。それが1%なんだそうで、将来的に県外で製造する可能性が全くないわけではないので99%ということらしいです。確かに100%とは言いにくいですね。金箔打ちに使用する雁皮紙の製造は胸を張って100%と言えるそうです。最近は市販紙(これは1回の使い捨て)を使用することも多いようですが。
近世は幕府直轄事業として江戸と京でしか認められていなかった金箔製造ですが、現在は隠れて製造していた加賀でのみ製造しているとは皮肉なものです。金箔製造はかなりの重労働であったので、忍耐のある北陸人に合っていたことも一因のようです。
充実した鑑賞でしたがお金を使っていないのが少し気が引けます。年間パスポート有難う!

前田土佐守家資料館 武家文書展

前田土佐守家資料館
今日は前田土佐守家資料館で昨日から始まった企画展「武家文書展」の解説講座に参加しました。毎回参加したい気持ちはあるのですが、他の日程と重なることも多く、ままなりません。
前田土佐守家資料館 武家文書展
今回は、その収蔵品の7割が古文書であるといわれる中からのテーマ展です。ちなみに「古文書」は「こぶんしょ」ではなく、「こもんじょ」です。今回の企画展も「ぶけもんじょてん」ですよ。
前田土佐守家資料館 武家文書展
大学の講義の「古文書学」は文字史料が残っている時代を研究するそうで、文字史料の残っていない弥生時代以前は「考古学」の独壇場なのだとか。
解説講座は展示品解説(講座のあとに展示室で開催)が中心ではなく、古文書の種類や見方を簡単に教えてもらいました。古文書の価値は書いてある内容も去ることですが、和紙の大きさや厚さがそもそも違うそうです。実際触れないのが残念ですが。見方を教えてもらうと楽しみが増えますね。
実際の展示は古文書だけではなく、花押の印章も展示されています。和紙の大きさに合わせて5つの大きさの印で一式となっており、花押の枠のみが押されます。内側は墨で丁寧に塗りつぶすそうで、その作業は意外ですね。
長町ルート
外に出るとまた大雪です。ちょうど資料館前に、最近開通しました長町ルートのフラットバスが来ました。
最後に、「古文書」の反対語を知っていますか?答えは「現用文書」だそうです。それは古文書が「その時代における役割を終えたもの」という意味があるからだそうで、逆は現在も役割を終えてないものということになります。

金沢市が「歴史都市」第一号に認定

国土交通省、農林水産省、文化庁の三省庁は、金沢市のほか、岐阜県高山市、滋賀県彦根市、山口県萩市、三重県亀山市の五市を歴史まちづくり法に基づく「歴史都市」の第一号に認定しました。
金沢市役所前
金沢市は今年度以下の三事業の補助金を申請しました。
・西外惣構の升形復元事業
・西内惣構の緑水苑復元事業
・にし茶屋街と寺町寺院群を結ぶ連絡路修景整備事業
このほか、平成12年度以降に土清水塩硝蔵跡の復元を目指しています。「歴史都市」の補助金申請は石川県の金沢城復元事業も対象となるようです。

津幡検定 22人に「源平合戦」合格証

昨年12月8日に実施された地元津幡町の検定は勉強不足のためパスしたが、今日その状況が新聞に載ったので紹介したい。
津幡町刊行協会が先月に実施した第1回「津幡ふるさと検定」の合格者が6日までに決まり、22人の合格者には丑年の幕開けにふさわしく、倶利伽羅合戦の「火牛の計」をモチーフにした合格証が贈られた。受験者39人の合格率は56%だった。合格証は名刺サイズで、倶利伽羅神社が所蔵する「源平倶利伽羅合戦屏風」の一部分を使用し、津幡らしいデザインとした。
検定は四択の問題五十問(一問1点)が出題され、40点以上で合格となる。最高点は48点、平均点は39.4点だった。町制定の鳥を尋ねる問題(答え・ハクチョウ)など全員正解は八問。一番の難問は津幡川の大改修の年(答え・昭和42年)で、正答率は10%だった。初回は初級のみの実施で、新年度に計画する第二回検定では、より難易度の高い級の新設を検討する。受験者には小中学生がいなかったため、町では「次回は児童生徒にも検定を呼び掛けて、受験者数を増やしたい」と話している。

福徳のなかは・・・

昨日は出かけたので1日空きましたが、今日福徳せんべいを開きました。おみくじと同じで中身の分からないものを開くのはワクワクしますね。
福徳煎餅
福徳煎餅
まずは鈴型?から。なかは「大黒さん」の金花糖でした。
福徳煎餅
次は俵型です。なかは「起き上がり人形」の金花糖と、トリの土人形でした。おお、こちらの土人形はビニール袋にも入らずに、そのままですね。まあ私は気になりませんが、福徳宝船はやはり高級品らしくビニール袋に入っているようです。
福徳煎餅
最後は小槌型です。なかは「鯛」の金花糖と、かぶら?の土人形でした。
福徳煎餅
狙った招き猫の土人形は当たりませんでしたが、土人形は2個ゲットしました。来年の楽しみにしましょう。
そういえば、今回福徳を買ったときに、森八さんにも福徳が売られていることを知りました。来年はその福徳と、福徳せんべいにしようかな。

金沢市指定民俗無形文化財 加賀万歳(かがまんざい)

兼六園
北陸特有の重い空です。今日は昼から出かけて無料開放中の兼六園にやってきました。初売りや初詣の人が兼六園にもたくさん流れているようです。
兼六園
兼六園
兼六園を出ようかという時に大粒のあられが降ってきました。今日は帰るまでに2回あられが降ってくるという冬らしい天候でした。
兼六園
今日の目的の第一は、金沢能楽美術館で開催される「加賀万歳」です。美術館も今日は無料公開です。初めて入りましたが、公演会場は3階の研修室ということでした。
加賀万歳
演目の始めは「式三番叟(しきさんばそう)」。一番初めに必ず演じられ、館の永久と主人の長寿を祝うものだそうです。
加賀万歳
2番目の演目は「町尽くし(まちづくし)」。金沢の町や寺社の名前を唄い込んでおり、金沢城周辺から、金沢の中心街、金沢駅周辺へと今ではなくなってしまった町名を含む数多くの町を巡るもので、今年の北國総研のふるさと講座でも話題のひとつとなるものですが、橋なども出てきましたね。
加賀万歳
3番目の演目は「北国下道中」。加賀藩が参勤交代のときの道中を唄いあげたもので、北陸道・中山道を通り江戸に至るまでの道中の名所名物を軽快にたどっていくもので、12泊の宿場が出てきました。
加賀万歳
アンコールで最後に「百人一首」が演じられました。
加賀万歳
今回初めて本物の加賀万歳を見ましたが、非常に楽しいものでした。万歳というだけに合間に小話の掛け合いなどもあり、こんなに面白いものであれば来年も見に行こうと思いました。
加賀万歳
今日は3箇所の初詣に行きました。
尾山神社
尾山神社は大勢の参拝客であふれていました。
尾崎神社
近くの尾崎神社は人もまばらでした。
金沢神社
学問の神を祀る金沢神社は列が長かったので諦めました。
尾山神社
今日は尾山神社でおみくじを1つ買いました。

金沢の正月菓子 辻占・福徳

あけましておめでとうございます。
年初めは金沢の正月菓子の話題から・・・
金沢には3つの代表的な正月菓子があります。「福梅」(ふくうめ)、「辻占」(つじうらない)、「福徳」(ふっとこ)です。福梅と辻占は県内スーパーでもよく売っていますが、辻占は砂糖菓子で見た目安っぽいですね。
ということで、今年は本物の辻占と、見たことない福徳を求め、ネットで調べたところ「落雁 諸江屋」で販売しているとのこと、年末に買い物へ出かけました。
辻占
辻占
「辻占」は12個入で525円。スーパーの砂糖菓子に比べると高いですが、干菓子は見た目にも全く雰囲気が違います。おー本物って感じです。色も白、黄、桃、緑と4色あるんですよ。
「福徳」は2種類販売されていました。両方大人買いです。まずは「ふっとこ宝船」七福神の福徳で3150円です。
ふっとこ宝船
諸江屋さんの包みは金沢城下町絵図です。これも良いですね。
ふっとこ宝船
開封すると、福徳が7個、絵葉書1枚、金沢道中双六1枚、宝船絵2枚が入っています。宝船の絵は枕の下にして眠ると吉兆の初夢が見られるという習わしだそうです。
ふっとこ宝船
ふっとこ宝船
双六は江戸の日本橋から金沢に至る道中の宿場を描いたものですが、金沢から越中までの宿場を見てみると、
「金沢」→「津幡」→「竹の橋」(ここまで加賀)→「今不動」→「高岡」→「小松」→「富山」→「東岩瀬」→「滑川」→「魚津」
小松ってどこでしょうね。
ふっとこ宝船
福徳は紅白合わせの最中の皮?の中に、土人形1個と鈴形の紅白の干菓子が入っています。土人形はそのまま入っているのかと思っていましたが、きちんとビニール袋に入っているではないですか。最近はうるさい人が多いですから。
ふっとこ宝船
ふっとこ宝船
完成した宝船です。なかなかに賑やかではありませんか。しばらく床の間に飾ります。
ふっとこ宝船
ふっとこ宝船
もうひとつは「福徳せんべい」、5個入で1155円。こちらは今日開きますので、明日また。
福徳煎餅
袋には福徳の由来をこう書いてあります。
「その昔、加賀藩ではお正月にはこの一年、福と徳にめぐまれる様、正月用玩具又は菓子、料理等に縁起をかつぎたるもの多し、この玩具菓子も打出の小槌、或は砂金包の形の中に色々と縁起のよい形のものを入れ、正月に家族一同、これを開きて一年の運をよろこぶ習慣あり、素朴なる米煎餅の皮をかじり、中なる金花糖にて甘味を取りたるその昔の庶民の生活をしのびながら、この一年お互いの運勢を占らなって下されば幸いです。
皮の黄色は黄金、白きは白銀をなぞらえたるなり。」

2008年を総括して

今年を総括すると、まずはホームページ制作がほとんど進まなかったことなど反省点は多い。
反面、取材などを兼ねた県外行きは13回(28日)に及んだ。約ひと月県外へ行っていたことになるが、県内においても、特に金沢城は河北門をはじめ、石川門、いもり堀と復元・修復工事が進み、現場説明会や経過を見るためによく出かけた。
春の名古屋城検定、夏の三重旅行や秋の九州旅行など今年訪れた城跡は52城になった。
今年出かけた講演会・シンポジウム・説明会などは、
・加賀藩・歴史文化護持協力会設立総会(1月)
・講演会「二曲城の発掘調査」(2月)
・平成19年度発掘報告会いしかわを掘る(3月)
・一乗谷朝倉氏遺跡発掘調査現地説明会(3月)
・国際恐竜シンポジウム2008(3月)
・講演会「福井城跡発掘展」(6月)
・金沢城河北門復元 第一回現場説明会(6月)
・全国城郭研究者セミナー(8月)
・鮫ヶ尾城跡と直江兼続の生きた時代(8月)
・城下町金沢の文化的遺産群と文化的景観セミナー(9月)
・「金城温古録」の歩き方(9月)
・能登畠山氏と文芸の世界(10月)
・中世都市と職人(10月)
・伝統的建造物群保存地区・こまちなみ保存区域探訪会(11月)
・惣構堀探訪会(11月)
・金沢城本丸北側現場説明会(11月)
・史跡観音寺城跡を探る(11月)
・「織豊期研究」第10号刊行記念シンポジウム(12月)
・講演会「直江兼続と最上氏」(12月)
こうやってみると我ながら頑張りました。
さて、2008年最終のカウンターは・・・
裏・城郭さんぽ&うさぎと一緒な毎日 知識の泉
本サイトが「431」
知識の泉が「1019」
来年はもっとホームページの充実を!!
毎年同じ目標ですいませんm(__)m

城下町金澤 町づくし

金沢ケーブルテレビで放映されている北國総合研究所の「北國総研のふるさと講座」の話です。
今年は1年間、1月から12月まで季節行事や郷土料理の紹介に関する内容だったが、来年からは内容を城下町の今昔の紹介になるようである。
旧市内域を中心に、加賀万歳の演目「町尽し」に登場、あるいは金沢市歴史のまちしるべ事業の標柱になっている現地を探訪し、関係者に取材して新旧比較するそうだ。
去年友人のS氏とも回ったまちしるべ標柱に、ついにスポットが当るようである。今は無き2本もこれで復活か?もう少し活用を!という声が届いたんでしょうか。それはそれで嬉しい。