重文・二条城の障壁画 作業員が誤って踏み抜く

京都市は7日、国指定重要文化財である二条城の障壁画「紙本金地著色竹林群虎図(しほんきんじちゃくしょくちくりんぐんこず)」46面のうちの1面(縦約1.6メートル、横2.1メートル)を作業員(25)が過って踏み破り、金箔(きんぱく)部分に二つの穴(縦18センチ、横17センチと縦29センチ、横25.5センチ)が開いたと発表した。市によると、15万円ほどかければ修復可能だという。
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市元離宮二条城事務所によると、障壁画は徳川家光時代の1626(寛永3)年に狩野派の絵師が描き、二条城二之丸御殿遠侍一之間に飾られていた。
市は72年から随時、障壁画の修復・模写作業を続けている。破損した障壁画は7日午前、二条城内の模写室に移動させるため作業員が壁から取り外した。しかし、雨が降ってきたため、搬出口を雨よけのシートで覆う間、一之間の出口付近の床に置いていたところ、作業員が過って障壁画の上の方の部分を踏んだという。一之間には作業員8人、学芸員2人、修復会社の関係者2人がいた。
同事務所の奥美里所長は「貴重な文化財を不注意で傷つけ申し訳ない。最大の注意を払って取り扱うべきだった」と話している。
二之丸御殿には約3千面(うち954面が重文)の障壁画があり、うち1035面が修復・模写の対象になり、昨年度末までに624面の作業が終わっている。 (asahi.com2009年7月7日記事より)