ネット掲示板管理者に求められる心構え

ブログも一種の掲示板であるが、ネットでの他人の誹謗・中傷への対応をどうするのかという問題がある。これに対しては、2002年5月に略して「プロバイダ責任制限法」という法律が施行されている。
名前からするとプロバイダに責任を負わせる法律のようだが、逆に責任を軽減することを主目的としている。プロバイダは電気通信事業法のもとで事業をおこなっているので、マスコミと同じ「通信の秘密」を守る義務が厳格に課せられている。したがって、ホームページや掲示板への書き込みを本人の承諾なしに削除した場合には、「債務不履行」(民法415条)、「不法行為」(民法709条)による損害賠償を負う可能性がある。仮に放置した場合にも、社会的信用を損なうリスクを負う可能性がある。
現在はどうなのか。前記「プロバイダ責任制限法」により、被害者は問題のホームページを作成した者、あるいは問題の書き込みをした者は誰なのか、について情報の開示要求ができる。さらに、削除の要請もプロバイダに委任でき、情報発信者が7日以内に削除を拒否しない場合は削除しても法的責任を負わないのである。
インターネットという顔の見えない世界では、誹謗・中傷が現実以上にエスカレートすることがままある。掲示板をきっかけに殺人事件まで起こるこの世は異常なのかもしれないと思うが、自らもブログを書く身であり注意をしたい。
読者の中で不幸にも誹謗・中傷の対象となってしまった方は、以下の書類の中のフォーマットにそって、ぜひ削除要請をしてほしいと思います。もっと思いやりのある世になるを願います。
「名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン」