JCA手順

ファームバンキングやオンラインバンキングをしている方は「全銀フォーマット」という言葉を聞いた事があるだろうが、通信手順として「全銀協TCP/IP手順」というのが標準化されている。しかし、この全銀フォーマットの仕様をネットで探してみてもなかなか見つからない。単なる固定長のテキストなのですけどね。
同様に流通業界では、「JCA手順」という標準通信手順がある。百貨店、スーパー、コンビニまで幅広く現在でも利用されている。この通信手順というのが実は曲者です。常識で考えると通信方法が標準化されているんだからフォーマットも標準化されているんだろうと思うのですが、実は全く統一化されていません。固定長128バイト(または256バイト)のなかで百貨店側は自由に項目を配置できます。
JCA手順にはもう一つの曲者が存在します。専用モデムです。外見は一昔のインターネット用アナログモデムと変わらないのですが、全二重、半二重という通信仕様の違いで1台10万円近くかかります。
こういう制約のため、JCA手順をやめてWeb-EDIに移行する業者も出てきたようです。理由は専用モデムを始めとした機器類の入手が困難になりつつあるということですが、事実かどうかはわかりません。限定的な使用目的のため販売台数も限られ、メーカーが製造をやめたとしても不思議はないですが。
いずれにしても業者ごとにフォーマットを解析し、取込処理を作成しなければいけないので、プログラムの労力が減るわけではありませんが、お客様の初期購入費用と、自社の保守機器購入がなくなるだけでも、この流れを喜ばしいと思っています。