金沢城 鶴丸倉庫の国重要文化財指定を目指す

金沢城公園内に現存する江戸時代の土蔵「鶴丸倉庫」は、全国で類似する建物が少なく文化財的価値が極めて高いことが分かり、これまで県文化財指定を視野に準備調査を進めてきたが、最終目標を国重要文化財指定に「格上げ」し、金沢の世界遺産暫定リスト入りへ核となる金沢城の価値を高めていく。県教育委員会は近く、県文化財保護審議会に価値の評価を求める。
県教育委員会は準備調査で全国の城郭に現存する江戸時代建造の土蔵をくまなく調べたところ、詳細が不明な1カ所を除くと二条城、大阪(大坂)城、高知城の六棟のみで、いずれも昭和二〇年代までに国重要文化財に指定されていることが判明した。いずれも平屋建てだが、鶴丸倉庫は二階建てと際立っており、建築面積も333平方メートルと最大だった。
城郭土蔵の国重要文化財指定が昭和前半に相次いだ中、鶴丸倉庫だけが取り残された理由について、県教育委員会は、「当時は調査研究が不十分で、建造時期も江戸時代ではなく明治期に旧陸軍が建てたとの説が強かったため」とみられる。(北国新聞2007年3月14日付記事)