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発行:郡山城史跡・柳沢文庫保存会
発行日:1975年6月初版
ページ数:180P
編者:南村俊一
定価:2,500円(5%税込)
オススメ度:★★☆☆☆
書評:
「このたび当会から郡山城跡の”転用材”の調査報告書を出すことにした。すべては南村俊一氏の熱情に応えて、そのために本書は成ったようなものである。ただお断わりしておかなければならないことは執筆及び写真の殆んどを直接手がけられた南村氏には甚だ失礼な言い方になって申訳ないのだが、同君はなんといっても所謂専門家では無い。あくまでアマチュアであること。この種の調査には実に広く多方面の知識と経験を必要とするようである。例えば石仏の一面的な知識等だけでは、正確で誤りのない報告書は到底期待できるものではない。その意味では書中各種類、項目に若干の考証を加えられているものの、基本的には本城跡に於ける転用材の分布図的なものに過ぎず、『調査報告書』と称するには、いささか羊頭狗肉の謗も免れ難いやもしれない。それでもなお多くの好学者のために、本書が少しでも研究上のお手伝いに役立つならば刊行者としてもそれに過ぎた喜びはないのである。」
大和郡山城の転用石調査をまとめている。アマチュアの方がこれだけ調べあげるには相当の時間と労力を必要としたことでしょう。発行の時代もあってか、モノクロページのみで写真もあまり精度がよいとは言えませんが、郡山城の石垣調査においてはまず本書を基礎として進めることができるでしょう。興味ある方は柳沢文庫で購入できます。
柳沢文庫 出版物ホームページ
カテゴリー: 畿内
史跡彦根城
近江の文化財教室 合本1
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発行:滋賀県文化財保護協会
発行日:1982年3月初版
ページ数:230P
定価:1,400円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「当協会では県内の文化財を広く紹介して、文化財に関する認識を深め、愛護していただくことをねらいとして、毎号テーマをきめて平易に解説して発行したのが『文化財教室シリーズ』であります。昭和50年9月にその第1号を創刊して以来50号を数えるに至りました。一冊に収録したものをという要望も高まり、ここにとりまとめることができました。」
一つのテーマ2~5ページでまとめられ、滋賀県の主な文化財を概観できる。現在合本4冊目まで発行されている。
財団法人滋賀県文化財保護協会 販売図書ホームページ
みよしほたる文庫3 柳沢吉保の実像
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発行:三芳町教育委員会
発行日:1996年3月初版
ページ数:159P
著者:野澤公次郎
定価:500円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「元禄の巨星柳沢吉保、権力の中枢にあったが故に悪役に仕立てられ、今日なお虚像がまことしやかに語られている。そんな虚像に、著者渾身の力を込めて、快刀乱麻の筆致で吉保の実像を綴る。」
自治体による本書はふるさと学習の一環で作成されたものであろうが、史料に基いた歴史書となっておりお買い得である。興味ある方は柳沢文庫でも購入できます。
柳沢文庫 出版物ホームページ
大和郡山歴代城主伝
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発行:郡山城史跡・柳沢文庫保存会
発行日:1994年7月1日初版
ページ数:21P
編者:森田義一
定価:300円(5%税込)
オススメ度:★★☆☆☆
書評:
大和郡山城の城主となった人物を筒井順慶から柳沢保申まで順に簡潔に解説している。興味ある方は柳沢文庫で購入できます。
柳沢文庫 出版物ホームページ
大和郡山城天守台石垣岩石種調査報告書
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発行:郡山城史跡・柳沢文庫保存会
発行日:1983年9月1日初版
ページ数:26P+図版7P+附図1枚
編者:奥田尚
定価:700円(5%税込)
オススメ度:★★☆☆☆
「古くからこの天守台には今日土俗信仰にまでなっている”逆さ地蔵”に代表される多くの伽藍石や、伝平城京羅城門の礎石などが転用されていることで知られている。これらは周知のように興福寺など南都の古い寺社が長い歴史の間で培ってきた強い中世的特権に、新興の武士達が自らの権力を誇示するために下した大きな弾圧そのものであった。」
続きを読む 大和郡山城天守台石垣岩石種調査報告書
石田三成と佐和山城址 東山の史蹟と景勝
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編集・発行:彦根石田三成公顕彰会 元彦根図書館長 北野源治
発行日:1974年8月初版
ページ数:217P
定価:500円(当時) 絶版
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「本冊子も版を重ねて来ましたが、今回更に稿を補足して顕彰に幾分でも役立てようと考えた次第です。今回、島津藩と関係深い高宮町小林家から興味ある資料を提出して下さったので追加記述とした。彦根の東山一帯が史蹟と景勝に富める観光地であることを広く認識してほしいとの念願から今回、本冊子に付加することにしました。更に『彦根の昔と今』に関して簡単ながら人口の変動と町名の変移を記述して参考の資料とした。」
前回の同名書「石田三成と佐和山城址」から10年経ってかなり内容を追加・補足して、石田三成公顕彰会の発行として完成形となっている。現在入手が非常に困難、また高価なのであるが、全体に焼けが強く残るものの地元古本屋で偶然にも安く入手することができた。文章は口語調に改められて前書に比べ非常に読み易くなっている。文字が大きめなので文章量はそれほど多くない。
大津城跡発掘調査報告書 -浜大津公共駐車場・スカイプラザ浜大津建設に伴う- 大津市埋蔵文化財調査報告書29
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編集・発行:大津市教育委員会
発行日:1999年3月
ページ数:52P+図版45P
定価:2,100円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「大津城は、豊臣秀吉の命により坂本城の廃城にともなって、天正14年(1586)頃に現在の浜大津周辺に建てられた城です。第4代目城主の京極高次は、関ヶ原の合戦に先立つ大津城攻防戦に東軍方として籠城し、西軍の大軍を大津城に足止めしました。この京極高次による西軍の足止めが、関ヶ原の合戦の勝敗に大きな影響を及ぼしたと言われています。今回発掘調査を実施しました場所は、大津城本丸推定地の東端部分にあたります。調査の結果、大津城に関連すると考えられる遺構として、礎石建物跡2棟・区画の石列・石組の溝跡などが検出されました。このことは、謎に包まれた大津城の実体を解明していく上で、貴重な発見であるといえます。」
図版はモノクロしかなく残念であるが、これまでの大津城の発掘調査の経過を知ることができるので貴重である。本書は大津市歴史博物館で購入しましたが、実は最後の一冊でした(2007年11月2日)。こういう報告書類は再版されることが非常にまれなので入手できたのは運が良かったです。
大津市歴史博物館 文化財・報告書ホームページ
膳所城本丸跡発掘調査報告書 大津市埋蔵文化財調査報告書16
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編集・発行:大津市教育委員会
発行日:1990年3月
ページ数:49P+図版8P
定価:1,220円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「膳所城は、坂本城・大津城とともに、湖を利用した水城としてよく知られています。しかし、この膳所城もいまは膳所城跡公園に当時の面影をわずかに残すだけで、ほとんど姿を消してしまいました。その実実態については、絵図などの史料により研究が進められておりますが、考古学的な発掘調査はいままでほとんど行われていませんでした。本報告書は昭和58年度に実施しました膳所城本丸跡の発掘調査の結果をまとめたものです。」
今回の発掘調査結果のほかに、現存する膳所城の遺構に関する章が一つと、前回の発掘調査の概要が一章含まれていて、膳所城に関する遺物に関してすべてを把握できるので、膳所城研究には価値ある一冊となっている。本書は大津市歴史博物館で購入できます。
大津市歴史博物館 文化財・報告書ホームページ
高槻の史跡
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編集・発行:高槻市教育委員会
発行日:2006年3月初版
ページ数:89P
定価:500円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「大阪平野の北東部に位置する高槻市は、淀川の悠久の流れに育まれ、また北摂連山の美しい山並みに抱かれた自然豊かな都市です。本市は、古来より淀川と山陽道(のちの西国街道)の二大交通路の要衝の地として京・大坂とともに発展してきました。市内には今日まで数多くの遺跡や社寺、旧跡などがのこり、当時の人々の暮らしぶりを今に伝えています。本書では、それら市内にのこる文化財の概要をとりまとめ、紹介しております。」
高槻市内の史跡・文化財を8テーマに分けて紹介している。程よい大きさなので携帯しながら史跡散策してみるのもよいだろう。高槻市立しろあと歴史館またはホームページで購入できます。
高槻市 有償刊行物ホームページ