前田一族 加賀百万石の系譜

前田一族 加賀百万石の系譜
出版社:新人物往来社
発行日:1973年11月初版
ページ数:286P
著者:能坂利雄
定価:980円(当時) 絶版
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「ことしの春のまだ浅い頃、新人物往来社編集局長槍田清太郎氏から『前田利家』についての史伝執筆の話があった。想を練りながら進めている内に、利家だけでも弱いから周囲における幾多の群像もあわせて採り上げたなら作品内容にそれなりのボリュームがでるのではないか、それならばいっそのこと内容のポイントを三代君主に及ぶ史伝にした方が系統的な創生史になるのでないかと再転して本書『前田一族』の出発となった。」
前田一族とあるが、時代的には初代利家から三代利常までを中心にしている。前田利家について書かれた初期の作のひとつ。
この書籍をAmazonで購入する

続きを読む 前田一族 加賀百万石の系譜

加賀文化の華 前田綱紀展

加賀文化の華 前田綱紀展 加賀文化の華 前田綱紀展
編集・発行:石川県立美術館
発行日:1988年10月1日
ページ数:267P
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「旧館時代に、初代前田利家、三代前田利常をとりあげ、加賀文化の形成期にスポットをあてた展観をすでに開催してきましたが、本年は加賀文化の完成者である五代前田綱紀をとりあげることにしました。綱紀が生きた時代は、江戸時代中期の文化爛熟期に照合し、みずから学を好み、美術文化を奨励したところから、加賀藩とくに首府としての金沢は、稀にみる学術、美術の都市として繁栄しました。今日の尊経閣文庫、美術工芸標本の集大成というべき百工比照、加賀藩工芸工房としての細工所等は、すべて綱紀時代に完成されたものであり、今日の石川県の伝統工芸のルーツとなっていることはいうまでもありません。」
同館開館五周年を記念して、昭和63年10月1日から26日まで開催された「前田綱紀展」の展示図録です。古書店でみつけましたが、綱紀の蒐集した尊経閣文庫(他の藩主蒐集分と区別して尊経閣蔵書という)や百工比照を多数掲載しており、普段みることができないものもあるので珍しいです。特に、百工比照は石川県の伝統工芸の基礎となった見本帳であり貴重な資料です。図録にはカラーとモノクロのページがありますが、せめて百工比照はすべてカラーで掲載してほしかったです。

続きを読む 加賀文化の華 前田綱紀展

一向一揆百年史 「百姓ノ持チタル国」五百年記念

一向一揆百年史 「百姓ノ持チタル国」五百年記念
発行元:白山書店
発行日:1987年5月初版
ページ数:189P
著者:浅井茂人
定価:1,200円(当時) 絶版
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「長享二年五月、いまから丁度五百年前、金沢市南郊の高尾城は加賀・能登・越中の農民一揆二〇万に取りかこまれた。一揆の指導者は鳥越の弘願寺、木越の光徳寺、磯部の勝願寺、吉藤の専光寺等の大坊主及び有力国人たちであった。激しい戦いの結果、六月九日城は落ち守護富樫政親は自刃した。以後約百年間にわたって加賀はいわゆる『百姓の持ちたる国』となる。この百年間は又戦国時代百年間とかさなり、一向一揆こそは戦国の主役であった。ところが五百年後の現在、この輝かしい人民の歴史も人々の記憶から忘れ去られようとしている。一揆の発現地、加賀においてすら今や風化の道を辿ろうとしている。人々の意識の風化をなげくよりもまず人々の意識をかきたてる仕事こそ、いま吾々がなさねばならない仕事ではなかろうか。そのためには一人でも多くの人々に一向一揆の歴史について知ってもらいたい。この念願からささやかながらこの書をまとめてみました。」
加賀を中心にした一向一揆の歴史をまとめたもの。自ら関連する遺跡を踏破したり、調査したものではなく、先人の著作をまとめたものであるようだ。ただ、一向一揆に関する専門書はあるものの一般書とは少なかったことから一定の意義を持つと考えるが、絶版状態なのは残念である。

続きを読む 一向一揆百年史 「百姓ノ持チタル国」五百年記念

一向一揆研究ノート(一) 消された城砦と金沢の原点を探る 一向一揆時代の金沢・小立野台地周辺考

一向一揆研究ノート(一) 消された城砦と金沢の原点を探る 一向一揆時代の金沢・小立野台地周辺考
発行元:能登印刷出版部
発行日:1987年12月初版
ページ数:165P
著者:辰巳明
定価:1,500円(当時) 絶版
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「この小冊子は元金沢二水高等学校・金沢泉丘高等学校・盲学校教諭辰巳明の遺稿を、遺族が整理したものである。この論文が書き起こされた経緯は筆者自らその未完の『あとがき』に記している。」
金沢周辺の一向一揆に関連する城砦の研究であるが、地元民ならではの持論が新鮮である。発行部数が非常に少なかったのか古書店で初めてみた。県内図書館には数多く収蔵されるものの貸出禁止されているものが多い。同類の研究は少なく、本書も著者が病気で中途となっているため、引続き研究の必要があろう。その際はぜひ本書を下地にしてもらいたい。

続きを読む 一向一揆研究ノート(一) 消された城砦と金沢の原点を探る 一向一揆時代の金沢・小立野台地周辺考

石田三成と佐和山城址 東山の史蹟と景勝

石田三成と佐和山城址 東山の史蹟と景勝
編集・発行:彦根石田三成公顕彰会 元彦根図書館長 北野源治
発行日:1974年8月初版
ページ数:217P
定価:500円(当時) 絶版
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「本冊子も版を重ねて来ましたが、今回更に稿を補足して顕彰に幾分でも役立てようと考えた次第です。今回、島津藩と関係深い高宮町小林家から興味ある資料を提出して下さったので追加記述とした。彦根の東山一帯が史蹟と景勝に富める観光地であることを広く認識してほしいとの念願から今回、本冊子に付加することにしました。更に『彦根の昔と今』に関して簡単ながら人口の変動と町名の変移を記述して参考の資料とした。」
前回の同名書「石田三成と佐和山城址」から10年経ってかなり内容を追加・補足して、石田三成公顕彰会の発行として完成形となっている。現在入手が非常に困難、また高価なのであるが、全体に焼けが強く残るものの地元古本屋で偶然にも安く入手することができた。文章は口語調に改められて前書に比べ非常に読み易くなっている。文字が大きめなので文章量はそれほど多くない。

続きを読む 石田三成と佐和山城址 東山の史蹟と景勝

北国路の親鸞さま 蓮如さま

北国路の親鸞さま 蓮如さま
発行:富山県郷土史会
発行日:1996年8月五訂版
ページ数:70P
編者:木下秀夫
定価:1,000円(税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「顧みますと、昭和31年の春、はからずも県立図書館長を拝命して四年間の在勤にすぎなかったのですが、フト手にした小柴直矩著『親鸞聖人越中聖磧』がヤミツキとなり、昭和39年『北陸(国)路の親鸞さま』を富山県郷土史会から刊行してから、版を重ねて四回、今回『北国路の親鸞さまと蓮如さま』と改題して、また世に問うことになりました。少しでも皆様方の道案内ができれば幸甚に存じます。」
蓮如上人五百回遠忌を前に、親鸞の足跡に蓮如の足跡を追加して発行されたものです。門徒(たぶん)がまとめたものなので、他の一般書や学術書と比べて読みやすく切り口も違っている。

続きを読む 北国路の親鸞さま 蓮如さま

加賀百万石

加賀百万石
発行元:教育社
発行日:1980年1月初版
ページ数:269P
編者:田中喜男
定価:600円(再版、当時)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「幕藩制下の前田氏領の成立から解体までを軍役・農政・流通・文化・打ちこわしのなかで探る。」
城下町の構成や文化から前田家加賀百万石を解き明かそうとしている。
この書籍をAmazonで購入する

続きを読む 加賀百万石

鉄砲と戦国合戦 歴史文化ライブラリー146

鉄砲と戦国合戦 歴史文化ライブラリー146
出版社:吉川弘文館
発行日:2002年11月初版
ページ数:211P
著者:宇田川武久
定価:1,700円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「戦国合戦に多大な影響を与えた鉄砲、その背景には、新たな武芸『砲術』の誕生と、それを家業とする砲術師たちの命がけの活躍があった。なぜ日本人は火縄式にこだわり続けたか、いくさの中で発達した砲術の世界に迫る。」
この書籍をAmazonで購入する この書籍を楽天ブックスで購入する この書籍をbk1で購入する

続きを読む 鉄砲と戦国合戦 歴史文化ライブラリー146

特別展覧会 石田三成 第二章 -戦国を奔走した秀吉奉行-

特別展覧会 石田三成 第二章 -戦国を奔走した秀吉奉行-
編集・発行:長浜市長浜城歴史博物館
発行日:2000年10月初版
ページ数:95P
定価:900円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「今年は、坂田郡石田村出身の石田三成が没して四百年になります。また、三成が西軍の主将として戦った関ヶ原合戦四百年の記念すべき年であります。今回の特別展では、東奔西走する三成の姿を活写します。その中から、秀吉政権の内政・外交をかじ取りした彼の姿が見えてくると思います。三成への真の評価は、秀吉のもとで新たな国家の枠組を創った点に求められるのです。」
平成12年度秋季特別展の図録。本書は長浜城歴史博物館で購入できます。
長浜市長浜城歴史博物館ホームページ

続きを読む 特別展覧会 石田三成 第二章 -戦国を奔走した秀吉奉行-