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発行元:有限会社ナガミ
発行日:2004年10月初版
ページ数:327P
著者:氷見完治
定価:2,100円(5%税込)
オススメ度:★★☆☆☆
書評:
「平成元年、角川映画で海音寺潮五郎の『天と地と』が映画化されるという情報を得た私は、好機到来とばかり行動を起こしていた。何故ならば、角川春樹監督は母校國學院大学の後輩であり、学生時代には特別に親交を結んだ間柄であったからである。当時、映画界の寵児として活躍していた彼が、我が上杉謙信公に思い入れを込めて映画化する、この機に上越市の春日山城をはじめ、歴史上の人物をより知ってもらえるのではと考えたのであった。同士を募り動いた結果、映画制作史上例を見ない、市を挙げての後援会が組織され、植木公市長がその会長に就任したのである。私はその一方で、月刊誌『ジャック・ランド』の誌上に映画の側面的な応援ということで、この連載を始めていた。6ヶ月の連載という約束が、11年という長期になったのだが、誌面を提供して頂いた植木昌成氏には感謝の念でいっぱいである。」
上杉謙信の地元出身の著者が、自ら歩いて取材した結果を踏まえて定説とは異なる持論を展開する。本書のもとになった連載を契機に後に、上越観光案内協会を立ち上げることにもなったようである。文書は平易で読み易い。上越市内の書店で購入できる。
カテゴリー: 日本史
戦国合戦「古記録・古文書」総覧 「応仁の乱」から「大坂の陣」まで 別冊歴史読本入門シリーズ
日本史「戦国」総覧 歴史読本特別増刊事典シリーズ
上杉謙信傳
上杉家 毘・龍ミニのぼり旗
上杉謙信・直江兼続 起き上がり人形
尼子毛利合戦雲陽軍実記
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出版社:新人物往来社
発行日:1978年3月初版
ページ数:306P
校注者:勝田勝年
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「本書は、『雲陽軍実記』を全国の読者の前に紹介し、併せて必要な解説を加えて理解に役立てようとする目的から執筆したものである、『雲陽軍実記』を『尼子毛利合戦雲陽軍実記』と命名したのには理由がある。それは本書が全国に紹介されるのは今度が初めてであるからである。したがって、一見その内容が知りがたいと思われたので、内容を率直に示すために『尼子毛利合戦』の冠称を付した。」
「雲陽軍実記」は史実の正確さに重点が置かれたものではない。毛利方の「陰徳太平記」と対をなす尼子方の諸将の心情をよく表わしている史料である。本書にはふりがなや校注があり、読み進めるのに大変に役に立つ。発行部数が少なかったのか、古書でもなかなか入手困難である。今回は本体のみ箱なしのものを入手できたが、本体の状態はよかったので背ラベルを写真にしてある。NHK大河の「毛利元就」放映のときにでも再販してもらえればよかったと思う。

上杉氏年表 為景・謙信・景勝
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出版社:高志書院
発行日:2003年9月初版、2007年3月改訂版
ページ数:244P
編者:池亨、矢田俊文
定価:2,500円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「本書は、長尾為景の父能景が戦死した永正三年(1506)から、上杉景勝が死去する元和九年(1623)までの117年間に起こったできごとを時間の流れに従って記述したものである。よって、上杉謙信・景勝の全生涯を時間とともに理解できるようになっている。また、時間の流れでは理解しにくい重要なことがらについては、コラムという形式で収めた。本書は特定の研究の意図をもって作成されたものではないので、この年表を活用してさまざまな研究ができよう。たとえば、元和五年(1619)になくなった直江兼続の全生涯を記述しているので、兼続の研究にも役立てることができるだろう。」
今年、戦国地図としてページを追加して改訂版が出ているようである。上杉氏研究をする方は横に置いておくと便利な一冊である。

