岡山城二の丸跡 中国電力内山下変電所建設に伴う調査報告

岡山城二の丸跡 中国電力内山下変電所建設に伴う調査報告
編集・発行:中国電力内山下変電所、建設事業埋蔵文化財調査委員会
発行日:1998年3月初版
ページ数:カラー図版8P+237P(図版55P含む)
定価:非売品
オススメ度:★★★☆☆
「中国電力内山下変電所は岡山城本丸の南西に位置する大手門の東に所在しますが、この場所は緒山城二の丸にあたり、かつては家老や番頭の一部など上級藩士の屋敷が建ち並ぶところであり、『岡山城下町絵図』等によれば、当地は岡山藩第3家老の池田伊賀守の上屋敷を構えた土地で、内でも当発掘区はその北西隅にあたるところであります。このたび、中国電力内山下変電所を新築することになったため、岡山市教育委員会では工事に先立って平成5年11月と平成6年2月の2回確認調査をを実施し、その結果、中国電力株式会社、岡山県教育委員会、岡山市教育委員会の三者による調査委員会を組織して、平成6年8月から発掘調査を実施しました。
 調査の結果、近世と中世の遺構を検出しました。近世は承応3年(1654)の洪水砂を基準にして4時期に大別され、古くは宇喜多氏による初期城下町整備に伴う遺構、家老池田伊賀守の屋敷遺構、新しくは幕末から昭和期の遺構まで、安土桃山時代から太平洋戦争直前にまでおよぶ各時期の遺構を検出しました。」

書評:
ところどころにカラーの写真や図版が挿入されページ数以上に(紙質のため)分厚い報告書となっている。大半は遺物の写真であるが、なかなか興味深い出土物もあるので、岡山城を研究するときは一読されるとよいでしょう。

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[目次]
第1章 発掘調査の経緯
 第1節 調査に至る経緯と調査体制
 第2節 調査の経過
第2章 発掘調査の概要
 第1節 近世Ⅳ期の遺構
  (1) 井戸
 第2節 近世Ⅲ期の遺構
  (1) 井戸
  (2) 建物
 第3節 近世Ⅱ期の遺構
  (1) 井戸
  (2) 建物
  (3) 便所遺構
  (4) 溜枡遺構
  (5) 土壙
  (6) 溝
 第4節 近世Ⅰ期の遺構
  (1) 井戸
  (2) 溝
 第5節 遺物について
  (1) 瓦
  (2) 土器
  (3) 木製品
  (4) 金属製品
  (5) 石製器
  (6) 土製品
 第6節 中世の遺構
  (1) 土壙
  (2) 墳墓
第3章 まとめにかえて
 第1節 遺構について
 第2節 遺物について
  1) 瓦について
  2) 土器について
  3) 木製品について
 第3節 中世の墳墓について
付戴1岡山城二の丸跡出土の中世墓人骨について.
付戴2.中世墳墓から出土した炭化材の樹種
付戴3.岡山城二の丸跡出土の動物遺存体
付戴4.岡山城二の丸跡出土の蒔絵入漆鉢の分析及び樹種鑑定結果