葛尾城を歩く 坂城町郷土史シリーズ第1集

葛尾城を歩く 坂城町郷土史シリーズ第1集
編集・発行:坂城町教育委員会
発行日:1993年3月初版
ページ数:127P
著者:笹本正治
定価:1,000円(税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「葛尾城は昭和四十九年に長野県の史跡に指定されました、県内で最も重要な山城の一つです。坂城町の町内からはだいたいどこからでも見ることができ、町のシンボルともいえます、また、この城と関係の深い戦国時代の村上義清の活躍は大変に有名で、県の内外からここを訪れる人も後を絶ちません。この山城の背後に林道ができたので、今後の活用と保存を含めて相談にのって欲しい、と町から連絡があったのは平成四年の秋でした。見学してみると大変素晴らしい遺構でした。私が思ったのはこの素晴らしい城を、このままの形で後世に伝えたいということでした。そのためにはこの城のどこが素晴らしいかを、町民の皆さんが知っている必要があります。しかしながら、山城がどういうものであるか、まだし一般の人にはあまり理解されていないようです。城の保存や利用のためには、まず地元町民の皆さんの葛尾城に対する理解を深めることが大事ではないですか、と申し上げました。その結果、言い出したのはお前だから、普通の人にもわかるような解説書を、責任をもって書くようにいわれ、引受けさせられました。」
著者は中世信濃や武田氏に関する多数の著書があります。本書は、一般の方に難しい山城の話をわかりやすく説明するため、父子の会話形式で書かれています。内容は題名のごとく葛尾城を歩きながら、堀切や土塁の説明をするなど、なかなか本格的です。
本書は、坂木宿ふるさと歴史館で購入できます。同館では坂城町の歴史展示も充実していますので、ぜひご覧になって下さい。


[目次]
第一章 歴史から見た葛尾城
一 武田信玄の信濃侵略と村上義清
二 その後の葛尾城
第二章 葛尾城の遺構
一 北側から主郭にむけて
二 城の中心部分で
三 姫城にむけて