掛川城復元調査報告書

掛川城復元調査報告書
編集・発行:掛川市教育委員会
発行日:1998年3月
ページ数:207P+付図3枚
定価:3,500円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
「昭和63年3月、新幹線掛川駅が開業しますと、市民の郷土愛は永年の念願であった天守閣復元への動きとなり、白木ハナエさんの5億円のご寄付を契機に、市民募金により生涯学習都市のシンボルタワーともなる天守閣を復元する運動になりました。幸い良質の史料が存在し、城郭研究の権威、宮上茂樹氏が設計を担当することになり、青森ヒバの250年生の木で建設工事5年、本物の時代にふさわしく、わが国最初の本格木造での復元を果たすことができました。」

書評:
戦後初の木造復元天守となった掛川城の復元と発掘調査の報告書です。復元の方法や過程、復元にあたり行われた発掘調査の結果について詳細に書かれています。惜しいのは復元平面図を中心に図は多く掲載されるのですが、写真が巻頭カラー以外にありません。発掘調査時点の、つまり復元前の写真が欲しかったですね。
本書は掛川城二の丸御殿で購入することができます。このボリュームでこの価格はそう高くはないと思いますよ。

[目次]
第1章 掛川市の概要及び掛川城復元の経緯
 第1節 掛川市の歴史と現況
 第2節 掛川城復元事業の経緯
第2章 掛川城復元工事
 序章
 第1節 工事概要
 第2節 工事別復元工事の実施について
第3章 掛川城天守復元研究調査報告
 第1節 掛川城の歴史と天守
 第2節 掛川城天守の復元的考察
 第3節 高知城天守等に基づく復元
 第4節 復元天守の詳細
 第5節 実施設計
第4章 掛川城発掘調査
 第1節 調査に至る経緯と調査の目的
 第2節 調査の方法と経過
 第3節 遺跡をめぐる環境
 第4節 遺構
 第5節 結語
附図1 遺構全体図
附図2 天守台石垣平面図
附図3 本丸東遺構群実測図