発行:小川三朗
発行日:1997年6月
ページ数:180P
定価:私家本
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「町尽しに触発されてこれを案内人にして、流して歩くところと、その界隈の町々の由来や伝話などを聞いてみることにした。金沢に、戦災を免れたお陰で、先達の郷土史家が残してくれた資料がたくさんあるので、これらを見ると金沢の昔のことがよく分かる。町尽しはときどき、横を見てとか、すごすごとあとに見て通り過ぎているが、廻った所で足を止め、昔のことを望遠鏡でゆっくりと眺める百万石各駅停車巡りになった。」
実に面白い!藩政期の金沢に興味のある方であれば、伝統芸能の加賀万歳で人気ある曲である「町尽し」に登場する町名や坂、寺などは、一度は曲のとおりにめぐってみたいという衝動に駆られるであろう。それを実現した筆者による解説は一緒に町を歩いているようでとても楽しかった。
[目次]
加賀万歳のこと
加賀万歳の「町尽し」の歌詞
藩政時代の金沢城下町
金沢城と百間堀
城東小立野
城南犀川川上筋
城南河原町・片町筋
城西伝馬町・法船寺町筋
犀川川除町筋から犀川大橋
城南野町・泉筋
泉寺町六斗筋
城南石坂台
城西香林坊から長町筋
城外堂形から堤町筋
城西近江町筋
城大手前尾張町筋
城東材木町筋
城北卯辰台下愛宕町筋
城北森下町・山の上町筋
城北大衆免・浅野町筋
城北岩根・堀川筋
城西木の新保筋
城西三社台
城足安江町筋