定本 山梨県の城

定本山梨県の城
出版社:郷土出版社
発行日:1991年11月初版
ページ数:254P
責任編集:萩原三雄
定価:17,476円+税
オススメ度:★★★★☆
「本書が、戦国大名武田氏の築城になる大規模で政治的にも重要な城郭のほかに、山深い地域に存在する、名もない小規模な山城や、村々に点在する屋敷群などを積極的に取り上げたのは、こうした城郭のもつ多様な要素と性格を引き出すための重要な方策であった。この研究手法は、先の「日本城郭大系」や、1986年の「山梨県の中世城館跡-分布調査報告書」で形づくられてきたが、今後はさらに、寺社・街道・墓域、あるいは中世的景観までを視野において総合的に推し進められるべきであろう。同種の多くの城郭関連書物が地域的羅列の方法をとっているのに対し、本書が「武田氏の本拠と府中の経営」、「甲斐国と村の防衛」というように、城郭の性格や時代背景を踏まえ、章だてしたのも、今後の研究に対する試金石的試みのつもりであった。それにしても本書に示した470余の城郭は、本県の歴史のずっしりとした重みを担いながら、それぞれの地域で今日まで根づいてきた。それらを見れば、歴史とはいかに複雑で、多様で、そして奥深い存在であるかに気づかれるのではないかと思う。」

書評:
山梨県の城館を歴史軸に分割して紹介している。地域的な分割で城館を紹介するよりも時代的背景がわかりやすい。



[目次]
総論
 甲斐の歴史展開
 甲斐の中世城郭研究略史
 甲斐の城郭の考古学調査
 城郭の保存・活用
第一章 武田氏の本拠と府中の経営
 躑躅ヶ崎館 要害城・熊城 湯村山城 義清屋敷 義清館
 武田氏館 川田館 武田信義館 武田信光館 武田信春館
 武田信重館
コラム 府中の防衛体制
コラム 武田氏家臣の府中屋敷と在地屋敷
第二章 国人領主の居館と城
 谷戸城 小和田館 深草館 長坂釣閑屋敷 教来石民部館
 甘利氏館 須沢城 上野城(椿城) 中野城・海鳴城
 小瀨氏屋敷 於曽屋敷 小田野城 勝沼氏館 岩崎氏館
 蜂城 筑前原塁址 小山城 穴山氏館 南部氏館 中津森館
寄稿 勝沼氏館跡の殿舎構成と戦国期城下町の形成
第三章 甲斐国と村の防衛
 笹尾砦 中山砦 星山古城 中尾城 獅子吼城 源太ヶ城
 平瀬の烽火台 八田氏御朱印屋敷 連方屋敷 旭山の烽火台
 小物成山 古城山砦 本栖城・樹海内の石塁 源氏ヶ岳城
 真篠砦 南部城山 葛谷城 岩殿城 駒宮砦 大蔵砦
 栃穴御前山 牧野砦 長峰砦 吉田城山
コラム 国境の関所と城
コラム 小規模城郭の性格
寄稿 甲斐武田氏の築城術
第四章 武田勝頼の新府遷都
 新府城 能見城
第五章 天正壬午の戦いと徳川・北条の城
 旭山砦 若神子城 白山城 浄古寺城 勝山城 金刀比羅山砦
 菅沼城 御坂城
コラム 天正壬午の戦いと甲斐国内の山城
第六章 近世の城と城下町の形成
 甲府城 谷村城・勝山城
コラム 甲府城築城の経緯
コラム 甲府城殿舎のインテリア
コラム 谷村城下の復元
寄稿 甲府城の石垣
寄稿 甲府城発掘調査の概要
山梨県各地の諸城(附・分布図)
山梨県城郭史年表