新修七尾市史 7 七尾城編

新修七尾市史 7 七尾城編 新修七尾市史 7 七尾城編
発行元:七尾市
発行日:2006年3月初版(限定1000部)
ページ数:385P+240P
編者:七尾市史編さん専門委員会
定価:6,000円(5%税込)
オススメ度:★★★★☆
書評:
「本書の内容は、文献史料編と考古資料編に大別される。前者は、既刊の『古代・中世資料編』の続編でもあり、永正元年(1504)から天正十年(1582)7月の石動山・荒山合戦までの史料を、編年体で収録したもので、七尾市史中世資料編のうちの『戦国編』ともいうべきものである。そこには堅固な山岳城(七尾城)を構成し、戦国大名として領国支配を展開する一方、黄昏の室町幕府を支え、能登に地方武士文化を高揚させた、幕府管領畠山氏の庶流『能登畠山氏』の、戦国期における関係史料を網羅した。収録された史料はいささか難解ではあるが、それらを丹念に読み解くことによって、政治・経済・文化の書く分野にわたり京都と深く係わりながら、日本の戦国社会のなかで光彩を放ち続けた大名能登畠山氏と、その拠点であるのと七尾の重要な歴史的位置が浮かび上がってこよう。後者の考古資料編は、昭和四十八年以降続けられてきた、七尾城跡遺跡遺構の測量・発掘調査と、平成三年の市内古屋敷町のシッケ地区遺跡の発掘に始まる、七尾城下町遺跡群の遺構・遺物に関する発掘成果を、豊富な図版などを付して集成したものである。あわせて七尾城についての江戸時代の地誌類や、史跡としての七尾城跡保存の歩みをたどる近現代の関係資料も収録した。七尾城跡が、全国でも屈指の規模と構造を誇る戦国城郭であることは、夙に知られていたが、新たに七尾城下の発掘によって、整然とした町並みの一部が検出され、本格的な戦国城下町の存在が予測できたことは、注目される。」
市史や市史別冊に城館編を設ける自治体は全国でも増えてきたが、一城(七尾城)のみで一冊にしてしまった市史は類がないであろう。現時点はまさに七尾城の最高の資料集といえるであろう。
七尾市 七尾市史編さん室ホームページ


[目次]
文献史料編
第一章 七尾築城の周辺
第二章 義総とその時代
第三章 未曾有の内乱の中で
第四章 七尾落城への道
第五章 戦国七尾城軍記
第六章 上杉時代の七尾城
考古資料編
第1章 七尾城跡とその調査
第2章 城郭の遺構と遺物
第3章 城下の遺構と遺物
第4章 周辺の城館跡
第5章 記録類からみる七尾城