戦国時代は裏から読むとおもしろい! 「敗者」から見たもうひとつの戦国合戦史

戦国時代は裏から読むとおもしろい! 「敗者」から見たもうひとつの戦国合戦史
出版社:青春出版社
発行日:2007年5月初版
ページ数:235P
著者:小和田哲男
定価:552円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「歴史は、どうしても勝者が書く勝者の歴史になりがちである。政権を取った側が、自分たちの正当性を強調し、それを歴史として書き残すからである。そして、それが『正史』とされ、今日、私たちが歴史を学ぶ場合の基本史料となっており、当然のことながら、情報量も圧倒的に勝者の側に関するものの方が多い。そうした『正史』で歴史を調べ、また歴史を学ぶことになるので、いまのわれわれも、知らず知らすのうちに、勝者の立場で歴史をみる癖がついてしまっているのではないだろうか。もちろん、そのことに気づいている歴史家はかなりの数にのぼると思われるが、敗者の側に関する史料が勝者によって抹殺されたりしているため、研究は遅れているのが実情である。本書で私は、少ない史料を材料にしながら、戦国時代の人物、事件、合戦などを『裏側』から照射するつもりである。『正史』だけではとらえることのできない、その隠された真相に迫ることができるのではないかと考えている。」
戦国史研究の第一人者、小田和氏による敗者から見た戦国史。歴史の常識が常に正しいとは限らない!
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[目次]
プロローグ そういうことだったのか!戦国時代
 いつからいつまでを戦国時代というのか
 この時代をそもそもどう説明したらよいのか
 いかにして戦国大名は国を支配していったか
 なぜ戦わなければならなかったのか
第一章 戦国時代は裏から読むとおもしろい!
 歴史を書き換えた「一通の文書」
 時代によってちがう二つの武士道
 戦国時代の歴史から抹殺された二つの幕府
 「信長公記」に描かれなかった安土城の大事故
 「徳川四天王」「武田二十四将」は本当に実在したのか
第二章 「敗者」から見たもうひとつの戦国合戦史
 陶晴賢から見た厳島の戦い
 今川義元から見た桶狭間の戦い
 浅井長政・朝倉義景から見た姉川の戦い
 本願寺顕如から見た石山合戦
 徳川家康から見た三方原の戦い
 武田勝頼から見た長篠・設楽原の戦い
 別所長治から見た三木城の戦い
 吉川経家から見た鳥取城の戦い
 毛利輝元・清水宗治から見た備中高松城の戦い
 明智光秀から見た山崎の戦い
 柴田勝家から見た賤ヶ岳の戦い
 北条氏政・氏直から見た小田原合戦
 石田三成から見た関ヶ原の戦い
 淀殿・豊臣秀頼から見た大坂の陣
第三章 そこが気になる!裏読み戦国人物伝
 徳川家康の今川「人質」時代を見直す
 不可解な「築山殿事件」の知られざる真相
 大友宗麟をめぐる二つの評価をどう読むか
 「処理法」から見た信長・秀吉・家康の実像
 秀吉の苗字が「木下」になるまでの意外な経緯
 秀吉とお禰の間に子どもが生まれなかったのはなぜか
 秀吉に引き抜かれた石川数正の「その後」
 賤ヶ岳七本槍から”消された”二人の武将
 ”殺生関白”豊臣秀次が自刃にいたった本当の理由
 上杉家の家督争いで武田勝頼がとった「行動」の謎
 なぜ徳川秀忠は関ヶ原に遅参したのか
 足軽をかばって大名を捨てた天野康景の生き方