三刀屋氏とその城郭

三刀屋氏とその城郭
編集・発行:三刀屋城跡調査委員会
発行日:1985年6月初版
ページ数:226P
著者:白井伸昂、池田芳雄
定価:1,800円+税(限定500部)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「かねてから、三刀屋城は、富田城、三沢城とともに出雲の三城と呼ばれ、山城の代表的なものとして注目されている。そして、戦国時代尼子氏と毛利氏の攻防のはざまにあって、数多くの戦記を残している。しかし、そのわりにはこれまで史家の踏破がなく、三刀屋城にかかわる著述もなく、あまり脚光を浴びていないのが不思議な気がする。昭和57年7月刊行の三刀屋町誌編集にあたり、三刀屋氏にかかわる各種資料を検討し、その系譜はもとより、14代三百四十年の史実を明らかにするとともに、三刀屋氏をめぐる当時の雲陽の動きが一層はっきりしてきた。その上に三か年にわたる三刀屋城跡の踏破によって、城郭の解明が進むにつれ、なおさら三刀屋氏の強力な姿がほうふつと蘇ってきた。」
島根県の三刀屋城研究に関する現在の到達点を示した書。発行部数が少ないので入手が非常に困難である。三刀屋氏に関する文書「三刀屋文書」については先に刊行された三刀屋町誌よりも詳細に掲載されている。


[目次]
(一)はじめに
調査に至った経緯・調査の方法と経過・今後の活用について
(二)中世末の三刀屋=毛利・堀尾時代を中心として=
一.「みとや」の地名
二.諏訪部氏(のち三刀屋氏)の支配
三.三刀屋氏の転封
四.その後の三刀屋
五.三刀屋城について
六.文献資料 -三刀屋文書・三刀谷系図-
(三)遺構
一.三刀屋城址(城山)
二.石丸城址(じゃ山)
三.その他の郭・砦の配備
四.地名・古道等の検討
五.城域の構成
(四)出土陶磁器について
一.石丸城址出土陶磁器
二.天神丸出土陶磁器
(五)結び
付図
荘園の分布
出雲国の主要な山城(尼子十旗十砦)
毛利支配三十六条城分布
三刀屋周辺の諸城と砦