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編集・発行:北國総合研究所
発行日:2008年1月
ページ数:50P
定価:会員配布
オススメ度:★★★☆☆
書評:
北國総合研究所の自主研究「金沢城辰巳櫓」のレポート第3回。今回のテーマは「幻となった天保の再建計画 藩の財政悪化で断念か」。4ページのレポートであるが、1テーマをまとめた報告としては調度良い。一度は再建計画が持ち上がって設計図を作成しながらも財政難から中止となった経緯などが説明されている。今回は、先日市民公開講座として開催された「金沢城大学公開講座シンポジウム『金沢城と伝統技術』」の講演抄録も掲載されている。
カテゴリー: 城郭
石川県羽咋郡宝達志水町 末森城等城館跡群発掘調査等報告書
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編集・発行:石川県教育委員会、石川県埋蔵文化財センター
発行日:2007年3月26日
ページ数:78P+図版18P+付図2枚
定価:非売品
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「本町では、昭和60年度以降、末森城跡と御舘館跡の遺跡調査を進めてまいりました。その結果、末森城跡は各種文献が示すように、羽咋郡南部の統治に係わる戦国時代屈指の山城であり、御舘館跡は北陸地方を代表する巨大な平地館城であることが確認されました。この地域には、両城館跡に関する伝承も多く、今日まで数々の開発事業から遺跡が守られてきたのは、地元の方々の熱い思いと努力によるものであると思っております。
平成14年度から新たな調査委員会を結成し、旧押水町に所在する末森城跡、御舘館跡、坪山砦跡の保存活用を目的とした学術調査を続けて来ましたが、平成17年3月に志雄町、押水町が合併し、宝達志水町が誕生するに至り、旧志雄町に所在する三日城跡、萩市城跡、菅原館跡、国田館跡を含めて、七箇所の城館跡を対象とした幅広い調査を行う必要があると考えております。調査事業は始まったばかりで、解明すべき事柄も数多く残存しております。本報告書は、今後の解明に対する問題提起であるとともに、さらに発展した調査や整備へ移行する際の基礎資料になれば幸甚に存じます。」
石川県羽咋郡宝達志水町の末森城跡と御舘館跡などのこれまでの調査をまとめた総集編ともいうべき報告書である。末森城は前田利家と佐々成政の「末森の合戦」の舞台となったところで、末森城が前田軍の支城、佐々軍の陣は坪山に砦を築いて対陣した。
本書は残念ながら一般販売はされておらず入手できなかったので、図書館で借りて一部コピーを所持している。
小松市小松城跡 石川県立小松高等学校改築工事に係る埋蔵文化財発掘調査報告書
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編集・発行:石川県教育委員会、石川県埋蔵文化財センター
発行日:2007年3月31日
ページ数:78P+図版20P
定価:非売品
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「本書は小松城跡の第1次~第4次発掘調査報告書である。本遺跡の調査は、石川県立小松高等学校の校舎改修工事を原因として行われたものである。新校舎への改築は、旧校舎を使用しつつ段階的に解体を進める計画であった。工事は、平成12・13年度にかけて講堂と特別教室棟、平成14・15年度に管理教室棟、平成16・17年度に生活学習センター棟の順に行われた。調査はその工程に併行して実施することになったが、調査可能範囲は新校舎建設予定地で、且つ現在使用中の既存校舎及び付随施設が存在せず、さらに既存の校舎に影響を及ぼさない区域に限定された。やや入り組んだ形状を呈する調査区があるのはこのためである。」
小松城跡における8年分の発掘調査の報告書です。第一次調査では本丸や二の丸の石垣や井戸跡が出てきたようです。調査区域が限られていたのが残念です。
本書は入手できなかったので、図書館で借りて一部コピーを所持している。
志賀町館開遺跡群 県営ほ場整備事業(土田地区)に係る埋蔵文化財発掘調査報告書
岡山城二の丸跡 中国電力内山下変電所建設に伴う調査報告
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編集・発行:中国電力内山下変電所、建設事業埋蔵文化財調査委員会
発行日:1998年3月初版
ページ数:カラー図版8P+237P(図版55P含む)
定価:非売品
オススメ度:★★★☆☆
「中国電力内山下変電所は岡山城本丸の南西に位置する大手門の東に所在しますが、この場所は緒山城二の丸にあたり、かつては家老や番頭の一部など上級藩士の屋敷が建ち並ぶところであり、『岡山城下町絵図』等によれば、当地は岡山藩第3家老の池田伊賀守の上屋敷を構えた土地で、内でも当発掘区はその北西隅にあたるところであります。このたび、中国電力内山下変電所を新築することになったため、岡山市教育委員会では工事に先立って平成5年11月と平成6年2月の2回確認調査をを実施し、その結果、中国電力株式会社、岡山県教育委員会、岡山市教育委員会の三者による調査委員会を組織して、平成6年8月から発掘調査を実施しました。
調査の結果、近世と中世の遺構を検出しました。近世は承応3年(1654)の洪水砂を基準にして4時期に大別され、古くは宇喜多氏による初期城下町整備に伴う遺構、家老池田伊賀守の屋敷遺構、新しくは幕末から昭和期の遺構まで、安土桃山時代から太平洋戦争直前にまでおよぶ各時期の遺構を検出しました。」
書評:
ところどころにカラーの写真や図版が挿入されページ数以上に(紙質のため)分厚い報告書となっている。大半は遺物の写真であるが、なかなか興味深い出土物もあるので、岡山城を研究するときは一読されるとよいでしょう。
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肥田城遺跡発掘調査報告書 宇曽川災害復旧助成事業に伴う
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編集・発行:滋賀県教育委員会文化部文化財保護課、滋賀県文化財保護協会
発行日:1988年3月初版
ページ数:106P+カラー図版2P+図版88P
定価:非売品
オススメ度:★★★☆☆
「今回報告書を上梓いたします発掘調査は、宇曽川災害復旧助成事業に伴って実施されたものです。付近は、戦国時代に高野瀬氏によって築城された肥田城をはじめ、江戸時代には宇曽川水運の中心的な船着場の一つとして、古くから注目されてきた地域であります。調査の成果をまとめて本書が、この地域の歴史を理解する上で、また埋蔵文化財をより深く理解していただく上で、御活用いただければ幸いです。」
書評:
本調査区は肥田城の推定区域内だったが、結果として全く遺構が出ず、調査区域よりも西側に位置するであろうと結論付けている。
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DVD 日本名城紀行 [近畿] 第5巻
DVD 日本名城紀行 [中部・北陸] 第3巻
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発売元:キープ株式会社
発売日:2006年12月
収録時間:36min
制作:株式会社アートウエア・コミュニケーションズ
定価:1,600円+税
オススメ度:★★★☆☆
評価:
「鴉(からす)城と称され、戦国時代・石川数正が造営した五層天守の国宝『松本城』をはじめ、徳川秀忠の三万の軍勢をはねつけた真田氏ゆかりの『上田城』、まさに戦国動乱の城『岐阜城』など錚々たる名城を訪ねる中部・北陸名城紀行」
各城約5分の映像であるが、解説も付いていて楽しめる。ただ、最近の発売にしては映像が古いようだ。上田城の本丸東虎口櫓門は映っているが、松本城の太鼓門枡形や金沢城の菱櫓・五十間長屋は映っていない。そう考えると1990年代末頃の映像であろうか。

豊岡城館遺跡発掘調査報告書 市立図書館建設にかかる事前調査ほか 豊岡市文化財調査報告書第3集
安祥城址発掘調査報告書
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編集・発行:安城市教育委員会
発行日:1993年3月初版
ページ数:50P
定価:600円(税込)
オススメ度:★★★☆☆
「安祥城は、徳川家康の先祖である松平氏が約50年間にわたって居城とした戦国時代の城です。松平氏の本拠が岡崎へ移された後も、安祥城をめぐって激しい戦がくり返されており、常に戦略上の要衝でした。廃城から400年あまりを経た現在、安祥城址は安城市内の代表的な史跡のひとつに数えられています。本教育委員会では、この安祥城址の発掘調査を昭和63年に実施しました。調査は決して大規模なものではありませんが、これまで知られていなかった安祥城の新たな一面も明らかになりました。本書はこの調査の成果をまとめたものです。」
書評:
絵図の検証から堀の発掘調査によって城域を推定する作業をまとめている。発掘調査までのアプローチが面白い。安城市歴史博物館で販売されたようだが、現在は完売となっており、古書で入手した。
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