此隅山城を考える 第2集 シンポジウム但馬の山城

此隅山城を考える 第2集 シンポジウム但馬の山城
編集・発行:但馬此隅山城の保存を進める会
発行日:1988年3月初版
ページ数:92P
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「但馬此隅山の保存を進める会という団体運動が、保守的色彩の強い出石の町に発足したのは1986年秋のことであった。当初、文化財保護行政に対する『異議申し立て』という組織がもつ必然的な特徴から、会員のみならず、多くの同好の士たちがその存続に危惧の念をもっていたとしても過言でなかろう。しかしながら、自主的な学習活動は単なる机の上での学習のみならず、巻尺や地図を手に現地を踏査し、その調査成果を広報活動によって地元に還元していくという活動は、着実に定着していったと評価できる。
 こうした活動の一貫として、今回のシンポジウムの開催は位置付けられる。だが、会の力量や現状、何よりも研究の現段階の総括といったことから、時期尚早との声もないわけではなかった。基調講演には、但馬の山城とりわけ竹田城に精力的に取り組み、また石垣や最近の『畝状竪堀』の調査研究で新境地を開拓してこられた北垣氏をお招きしたものの、残りの発表者はすべて但馬の研究者たちで、まさに『手作り』によって成功させたシンポジウムであった。」
シンポジウムの開催から本書の作成まで会員の手作り感があふれる。内容は専門的であり、写真の質が良ければさらに良かったと思う。


[目次]
開会あいさつ
趣旨説明
第1章 基調講演 山城の成立と但馬の国 北垣總一郎
第2章 発掘された但馬の城1
第3章 発掘された但馬の城2
第4章 但馬の城の変遷
第5章 文献からみた但馬の城
第6章 討論
閉会あいさつ