寺島蔵人と加賀藩政 化政天保期の百万石群像

寺島蔵人と加賀藩政 化政天保期の百万石群像
出版社:桂書房
発行日:2003年9月初版
ページ数:383P
著者:長山直治
定価:2,000円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「寺島蔵人は藩政批判をして三度も咎められた。文政元年藩主斉広の始めた「御国民成立仕法」で「百姓は米を食わぬよう」とされた時は、米が食べられない民がいるのを藩主は恥としないのか、藩主は民のために存するのではないか、と痛烈に批判。大塩平八郎の乱には「尤も」と共感。能登島に流刑となるが、批判精神はそのまま、ボロを着て「ちょぼんとしちべた(尻)」を出す少女にまで視線を注ぐ優しさも最後まで失わなかった。江戸期の政治とは何か、現代社会に通ずる根源的な問いをめぐる物語。 」
非常に分厚い本である。加賀藩の化政期・天保期をここまで解説した一般本は稀である。本書は、一度編集者により咀嚼された石川県史に頼る歴史感に危機感を示し、加賀藩史料など原本にあたって新事実を追究している。専門的で読みやすいとはいえないが、加賀藩史を研究する方はぜひ一読を。
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[目次]
第一章 蔵人の出自と父の時代
第二章 少年時代の蔵人と養家寺島家
第三章 斉広の初政と高岡町奉行時代の蔵人
第四章 二の丸の再建と規式能・慰能の挙行
第五章 改作方復古と改作奉行時代の蔵人
第六章 勝手方御用の蔵人と大坂借財仕法の改定
第七章 文化末期の藩財政と三国与兵衛
第八章 御国民成立仕法の開始
第九章 十村断獄と蔵人の断獄批判
第十章 斉広の隠居と教諭
第十一章 蔵人の藩政批判と蔵人派の台頭
第十二章 蔵人の能登島生活とその死