天堂城跡 -奥能登最大規模を誇る城跡遺構と温井一族を考察-

天堂城跡 -奥能登最大規模を誇る城跡遺構と温井一族を考察-
著者・発行:高井勝己
発行日:2000年11月1日初版
ページ数:75P
定価:1,500円 自費出版
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「天堂城跡は、奥能登地域最大の規模を誇る城跡で、能登守護畠山氏の重臣温井氏が北辺の守りのために築城したと伝えられている。奥能登地域には、鎌倉初期に地頭職として入部した長谷部一族が穴水城を拠点として縄張りを巡らしていたが、畠山氏が守護となり入部すると、畠山氏の被官遊佐氏や温井氏が台頭することとなり、能登の主要地に進出したと見られる。このため、室町中期以降は、長谷部氏と肩を並べて温井氏の名が登場する。」
石川県輪島市の天堂城跡とその周辺城砦を自主調査してまとめた労作。県内でもあまり知られていない天堂城であるが、規模としては国史跡の七尾城、鳥越城に次ぐ大きなものである。本書片手にぜひ踏破してみたい。
本書は、高井勝己氏に直接はがきで申込みして購入できる。


[目次]
1.城跡の所在地
2.城跡の概要
3.遺構の状況
(1)殿様屋敷遺構
(2)兵庫屋敷遺構
(3)木戸口遺構
(4)ゴンゲン山遺構
(5)犬伏山遺構
(6)コエドヤシキ遺構
(7)ヤシキダ遺構
(8)堂ノ谷内後山遺構
(9)チョウセンマチ遺構
(10)エンニャマ遺構
4.築城年代を考察
5.天堂城の付砦
(1)姫ヶ城
(2)八幡山砦
(3)別所谷ノゾキ堂堡
(4)七日坂砦
(5)木戸ノ口砦
6.温井氏の能登定住を考察
(1)温井氏の入部は鎌倉期か
(2)温井氏は国衙の役人か
(3)最初の入部地は鹿島郡か鳳至郡か
(4)長谷部氏との住み分け