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出版社:静岡谷島屋
発行日:1982年8月初版
ページ数:275P
監修:飯塚伝太郎、小澤誠一
著者:黒澤脩
定価:1,800円+税5% 絶版
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「駿府(静岡市)に、日本史を揺るがした歴史が眠っている。慶長期、徳川家康の御在所、駿府城から近世の日本の歴史がはじまった。駿府を舞台に天下に君臨した家康は、ここで徳川支配体制を不動のものとした。今ここに、当時の駿府城と駿府城下町を再現!!駿府は事実上、日本の首都として熱い視線が注がれていた。我が国と西洋の間に外交関係が樹立したのも駿府が舞台であり、スペイン国王やイギリス国王等の外交使節が駿府城の家康を活発に訪問していた。」
翌年の1983年に増補版が出ているようだが、今回入手したのは初版のものである。駿府城下町の成り立ちや各町の由来が詳しい。現在各地では歴史遺産が注目される中で、静岡市を調べるには最適な本である。


羽黒山城Ⅰ 第1次・第2次・第3次発掘調査報告 日本城郭史学会調査報告書第18集
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発行:日本城郭史学会
発行日:1995年3月30日
ページ数:80P+図版86P+附図6枚
編集:羽黒山城発掘調査団
定価:5,000円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
「羽黒山城はその築城の経緯や時期等について詳らかでありませんが、戦国時代末期において、白河結城氏と常陸太田佐竹氏との勢力抗争の接点として重要な位置にあり、金山に大規模な築城の行われたところであります。今回の発掘調査は、羽黒山林道開設に伴う文化財保護の立場から事前調査を行ったものです。その成果については本報告書に記載のとおりですが、地域内において縄文早期の食事の跡や室町期の板碑信仰跡(護摩壇)等の新たな遺構や城郭の館跡から鍛冶屋跡や茶懐石の茶陶器などが出土するなど新事実も発見されました。」
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筑前原塁跡発掘調査報告書
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編集・発行:一宮町教育委員会、一誠建設株式会社
発行日:1989年3月31日
ページ数:30P
定価:不明
オススメ度:★★☆☆☆
「山梨県甲府盆地の東縁部、御坂山塊の扇状地に立地する一宮町は、遺跡が濃密に分布するところとして有名である。そのうちのひとつ筑前原塁跡は、堀田筑前屋敷跡とも呼ばれ、その性格、構築年代等が判然としない特殊な遺跡として古くから注目されてきた。」
書評:
竪穴住居跡ともに掘立住居跡も発掘されたようであるが、どれだけ時代が下るか本書調査では判断できなかったようである。
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月刊歴史読本2009年4月号 特集戦国大名血族系譜総覧
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発行元:新人物往来社
発行日:2009年2月発行
ページ数:328P
定価:1,090円(税込5%)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
月刊歴史読本2008年9月号。代表的な戦国大名の血族や系譜を特集。一大名のページ数が少ないのでどこか物足りない。来月号は「日本の名城505 都道府県別ベスト10」と予告されている。そちらのほうが楽しみ。
月刊歴史読本ホームページ

多賀屋敷遺跡調査報告書 越路町文化財調査報告第10輯
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編集・発行:越路町教育委員会
発行日:1983年3月30日
ページ数:37P+図版16P
定価:不明
オススメ度:★★☆☆☆
「越路町ではここ数年、諸開発に伴う遺跡の発掘調査が相次いでいる。本年度も多賀屋敷遺跡を含む地域が、ほ場整備事業信濃川左岸南部地区内になった。」
書評:
多賀屋敷とあるが、この遺跡は中世以降のものではなく、竪穴式住居の縄文時代中・後期の遺跡のようである。
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新説 桶狭間合戦 知られざる織田・今川七〇年戦争の実相
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出版社:学研
発行日:2008年9月初版
ページ数:253P
著者:橋場日月
定価:740円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「織田信長が天下布武へ歩み出す契機となった桶狭間の戦い。強敵、今川義元を圧倒的不利な状況で奇襲により葬り去ったという通説は本当なのか? 当時の両者の状況をグローバルな視点で見つめなおし、戦いの実相を明らかにする。 」
著者は、歴史群像の特集記事として、2007年9月号「今川帝国の野望」、2008年1月号「再考・桶狭間合戦」の2本を執筆し、それらを一冊に再編集したものが本書である。最新の仮説を楽しみましょう。


カラー版徹底図解 日本の城 城の歴史と構造、城をめぐる英雄たちの戦略・戦術
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出版社:新星出版社
発行日:2009年1月初版
ページ数:191P
著者:中井均
定価:1,500円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「日本全土に建造された城や城郭の中から、安土城・大坂城・江戸城など、約90の名城をピックアップして紹介。豊富な図版や写真によって、戦国時代の『土の城』から、近世城郭の『石の城』への変遷をたどる。 」
城郭事典といえる構成だが、今までと異なるのはただ日本国内の城を並べるという構成ではないところである。英雄の代表的城郭、合戦の舞台となった城郭など、その切り口が面白い。何でも詰めているから中途半端ということは全くなく、豊富な写真やイラストが見ていて楽しい。お城好きな初心者にはおすすめの一冊。


東国の戦国合戦 戦争の日本史10
金沢検定予想問題集2009
信長の城下町
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出版社:高志書院
発行日:2008年8月初版
ページ数:304P
編者:仁木宏、松尾信裕
定価:3,000円+税5%
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「本書の第一のねらいは、小牧、岐阜、安土についての最新の研究を紹介し、『信長の城下町』の最先端モデルを確認することである。小牧以前の尾張国内の織田系城下町と比較すると小牧の画期性が明らかになる。また豊臣政権がつくった大坂城下町と比較することで安土からの継承性・発展性を見たい。本書のもうひとつのねらいは、従来のように、これら先端部分だけに注目するのではなく、広く『信長の城下町』の全体像を解明しようとするところになる。秀吉の造った近江国長浜、播磨国姫路や光秀の近江国坂本についての論考を用意した意図はここにある。」
城下町研究の第一人者の先生達による論文集であるが、織豊時代に絞った本はうれしい限り、手頃な値段もうれしい限りです。最近全国各地で発掘調査が進み、徐々に明らかになっている信長のつくった城下町ですが、歴史の変わる瞬間に立ち会えるというのは胸躍るものですね。

