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発行:朝日町中央公民館
発行日:1998年3月
ページ数:69P+付図1枚(朝日町全図)
著者:竹内俊一
定価:非売品
オススメ度:★★★★☆
書評:
「平成8・9年度に『山城探訪教室』を朝日町中央公民館の公民講座として10講座を開きました。毎回の踏査に当たって、講師の竹内俊一氏からは、長年の研究の結果を分かりやすく説明して頂きました。学習生の中の数人は、山城に魅せられて、何回ともなくあの山、この道を訪ねて踏査を試みていたようです。講座を受けている時は、分かったようでも、あやふやな記憶として残る場合があります。振り返る確かなものとして、何らかの形の本を出してほしいとの要望が当公民館に多く寄せられました。そこで、当公民館としまして、朝日町の自然の財産を紹介し、伝承し続けていくことが、当然の使命であると考え、著者の竹内俊一氏に相談しましたところ、快く賛成して頂き刊行の運びとなりました。」
公民館が主導して町の山城を1冊の本にまとめるのは非常に珍しいのではないでしょうか。朝日町ではこの本のもとになった山城を散策する教室が開催されたということですが、まとめられている内容は思いのほか本格的なものとなっています。歴史だけでなく、縄張りや現況の写真など参考になる情報がたくさん載っています。
貴船城古今誌
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編集・発行:木舟城跡保存会
発行日:1992年
ページ数:131P
定価:1,500円(5%税込) (2009/8/30更新)
オススメ度:★★★★☆
書評:
「木舟城址について:この城は寿永三年(1184年)石黒太郎光弘の築城と伝えられ、その後、上杉氏、前田氏の居城となり、城下町も発達したが天正十三年(1585年)十一月大地震により崩壊した。現在、その殆どが田畑となっており、もっとも高い所で四メートルの小丘、本丸と見られるところは1.5メートルとその姿をとどめているに過ぎない。時あたかも木舟城築城八〇〇年崩壊四〇〇年の奇縁の年であり、これを記念し、石碑を建立して永くその名を留め、文化財としての価値を高め、保護に資するものである。」
「貴船城古今誌」は昭和13年に名古屋市在住の石黒大介(木舟城主の子孫)が書き残したものであり、本書により復刻されたものであるが、写真印刷でありなかなか読めるものではない。しかし、富山県高岡市(旧福岡町)にあったとされる木舟城に関する様々な資料が収録されている。書店で販売されたものではなく、関係者への配布と町へ寄贈するために作成したもののようである。今回は偶然にも入手することができた。書名には「貴船城」とあるため、「木舟城」と入手するまでわからなかったが、木舟城の研究には貴重な資料のひとつと言えよう。
後日、高岡市福岡歴史民俗資料館で販売されているのを見つけました。
広島城天守閣再建五〇周年記念事業 広島城と毛利氏の居城
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発行:広島市市民局文化スポーツ部文化財担当
発行日:2007年11月1日
ページ数:46P
編集:財団法人広島市文化財団 広島城
定価:580円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
「広島城天守閣は、昭和三十三年の天守閣再建・博物館(郷土館)開館以来、五十周年の節目の年を迎えました。その記念の年にあたって、広島城では企画展『広島城と毛利氏の居城』を開催することとしました。この展示では、広島城のみならず、毛利氏の居城として名高い吉田郡山城、萩城を取り上げ、これらの毛利氏の居城の変遷を振り返ってみたいと思います。」
平成20年度企画展の図録。古絵図もA4いっぱいに掲載されており見ていて楽しいです。購入は広島城ミュージアムショップでどうぞ。
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平成19年度広島城企画展 お城を建てる -匠の技・二の丸復元-
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発行:広島市市民局文化スポーツ部文化財担当
発行日:2007年10月13日
ページ数:31P
編集:財団法人広島市文化財団 広島城
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「近世のお城の建物の多くは、明治以降の取り壊しや第二次世界大戦中の空襲により、失われました。戦争が終わると、郷土のシンボルとして、お城の復元が各地で行われますが、昭和の復元は、鉄筋コンクリート造りの天守閣が中心でした。平成に入ると、各地のお城で櫓や門など様々な建築物が復元されるようになり、その工事では、機械などの新しい道具を使ってはいますが、基本的な工法は昔のままで復元されるようになっています。広島城二の丸でも、平成元年~6年にかけて表御門・御門橋・平櫓・多聞櫓・太鼓櫓・西側塀が昔ながらの工法で復元されています。本企画展は、そうした二の丸の復元例を通して、お城の建築技術について紹介するものです。」
平成19年度企画展の図録。現在絶版です。
広島城ホームページ
広島城企画展 城郭研究の最前線
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編集・発行:財団法人広島市文化財団 広島城
発行日:2005年9月24日
ページ数:29P
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「城郭は、古墳と並び、確認のしやすい身近な遺跡です。ただし、城郭と一口に言っても、平地に石垣が積まれ、天守閣がそびえるお城もあれば、尾根を利用して、土を削り、盛りあげたりして築かれた山城などさまざまな種類のものがあります。使用された時代も、盛んに城郭が築かれた戦国時代だけでなく、古代や南北朝時代など、多岐にわたります。」
平成17年度企画展の図録。現在絶版です。要害山城跡、高松城跡、牛の皮城跡、大内氏館跡、置塩城跡、赤穂城跡、岩国城、岩井城跡、銀山城跡、広島城跡などが紹介されています。
広島城ホームページ
描かれた城郭 絵巻・絵図に見る城
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編集・発行:財団法人広島市文化財団 広島城
発行日:2004年9月11日
ページ数:29P
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「鎌倉時代から戦国時代にかけて、全国で数多く築かれた城郭を中世城郭と呼びます。中性城郭は、時代に応じて変化を繰り返し、多様に発展しましたが、やがて織田信長、豊臣秀吉、徳川家康による天下統一の頃、天守、高い石垣を備えた近世城郭へと変化しました。このような城郭の姿を描いた資料としては、江戸時代に作成された城絵図が知られており、近世城郭の縄張りや城下町を描いたものが今日数多く残されています。一方、中世城郭については、同じ中世に描かれたものは少なく、目にする機会も限られています。そこで、今回は、主に中世に作成された絵画資料の中に見られる城郭を紹介し、同時期の城郭について探ります。」
平成16年度企画展の図録。現在絶版です。金沢柵、郡山城、岩崎城跡、広島城、千早城、興国寺城、長谷山城、甘崎城、原城などを紹介しています。
広島城ホームページ
楢葉城 現状遺構確認調査・発掘調査報告
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発行:楢葉町教育委員会
発行日:1986年3月30日
ページ数:(本誌)67P+図版19P (付図)5枚 箱入り
編集:日本城郭史学会楢葉城調査団
定価:2,000円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
「わが楢葉町が歴史に現われるのは、平安時代の『和名抄』の楢葉郷の記載がはじまりです。この楢葉郷を拓き農耕地としたのが、楢葉太郎隆祐という武士で、楢葉太郎隆祐は、山田岡の館ノ山に居城を構えたと伝えられています。この館ノ山の楢葉城址は、ふるさとの原点でもある訳です。町では、原始・古代の遺跡調査および町史編纂事業と並行し、昭和五十七年度から城址調査に着手し、四〇〇年から八〇〇年前の中世の時代の解明にあたっています。昭和五十八・五十九年度には、楢葉城の現状遺構確認調査と、これにつづく発掘調査を実施、霧の彼方にあった中世の楢葉の姿が朧げながら見えはじめてきました。」
書評:
楢葉町にある楢葉城に関する発掘調査報告書です。楢葉町歴史資料館で購入できます。
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小塙城・上ノ原城 遺構調査報告書
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発行:楢葉町教育委員会
発行日:1987年3月
ページ数:(本誌)49P+図版7P (付図)4枚
編集:西ヶ谷恭弘
定価:1,200円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
「小塙城の記述は『岩城明細記』や『会津・仙道・海道地方諸城の研究』によって紹介されておりますが、上ノ原城は誰からの暗示もなかった城跡でありました。宇佐神正文氏、松本松寿氏の現職中に発見し取りあげていたものであります、それが本報告書によって歴史的に位置付けられ、新ためて両城の関係を知ることができました。中世城郭は単一で成立するものではなく、支城・つなぎの城など、複数の築城によって構成し、その氏族や家臣の安泰を守ったものでありましょう。」
書評:
楢葉町にある小塙(こばな)城と上ノ原城に関する発掘調査報告書です。楢葉町歴史資料館で購入できます。
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楢葉町城館址調査報告書
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発行:楢葉町教育委員会
発行日:1987年12月1日
ページ数:(本誌)160P+図版6P (付図)13枚 箱入り
編集:西ヶ谷恭弘
定価:2,000円(5%税込)
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「現代社会生活の変化に伴って先人達が残した貴重な歴史的遺産が消滅しております。城館址もその一つといえましょう。町内には九つの城館が残されていることがわかりました。いままで存在のわからなかった城館址や、言い伝えもないことからほとんど顧られずに過ごして参りました。昭和五十八年八月、天神山城の調査をきっかけに先輩達の懸命な努力によって、これら城館趾の確認ができました。」
楢葉町内に存在する9つの城館のうち、大谷館、井出城、名合沢館、蓑輪城、小山城の5つの城館の調査報告書を合本した調査報告書となっています。楢葉町歴史資料館で購入できます。
楢葉町の本販売ホームページ
大崎町中世の城跡 文化財研究誌第6集
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編集・発行:大崎町教育委員会
発行日:1988年3月1日
ページ数:71P
定価:非売品
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「今回は第六集として『大崎町中世の城跡』を発刊することにしました。これは昭和58年に鹿児島県教育庁の文化課の企画で県下の中世城館跡の調査が行われた時に大崎町の分を報告したものであります。報告書は一定の形式があって、それに内容をはめこんでいくものでしたが、本誌では、その形式をはずしながらも其の項目はそのまま生かして記述をすすめました。」
「鹿児島県の中世城館跡」の基礎調査をもとに構成していますが、一つ一つの城跡が詳細に掲載されています。歴史的経緯よりも、現況遺構や地形図と遺構図の対比のほうに比重があります。