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出版社:文芸春秋
発行日:2005年10月初版
ページ数:296P
著者:海音寺潮五郎
定価:476円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
城にもそれぞれ個性がある。岐阜城はただ一人を除いてすべて非業の死をとげていることや、小田原城の歴史は一種の震災史であり、そして姫路城には女のからんだ秘話が多い。南は熊本城から、北は函館五稜郭まで十二の名城にまつわる史話を歴史文学の第一人者であった著者が縦横に語った興趣つきない好連作集。本書は、1977年3月に刊行された文春文庫「日本名城伝」の新装版です。


日本百名城 歴史と伝統を歩くガイドブック 朝日文庫
日本の名城がわかる本
日本の名城 東日本編 学研M文庫
日本の名城 西日本編 学研M文庫
武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新 新潮新書
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出版社:新潮社
発行日:2003年4月初版
ページ数:223P
著者:磯田通史
定価:680円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
「金沢藩士猪山家文書」という武家文書に、精巧な「家計簿」が例を見ない完全な姿で遺されていた。国史研究史上、初めての発見と言ってよい。タイム・カプセルを開けてみれば、金融破綻、地価下落、リストラ、教育問題・・・・など、猪山家は現代の我々が直面する問題を全て経験ずみだった!活き活きと復元された武士の暮らしを通じて、江戸時代に対する通念が覆され、全く違った「日本の近代」が見えてくる。
発売された当時、地元金沢ではとても話題なった本です。古文書を現代に当てはめて解釈し紹介するという視点が珍しい。


広島市の文化財 第20集 山城
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発行日:1982年2月初版
ページ数:43P+写真+縄張り図面
発行:広島市教育委員会(社会教育部社会教育課)
定価:不明
オススメ度:★★★☆☆
収録城郭:広島市内の山城跡150城
書評:
広島市教育委員会では、昭和49年度から8ヵ年をかけて、市内に点在する中世山城の所在と遺構確認のための資料調査・実地踏査を続けてきました。その結果、150ちかい山城跡が存在していることが判明しました。このうち、数件については、破壊されたり自然破壊によって、すでに形をとどめないものもあります。
本報告書は、山城の地名表とそれに合わせて城郭跡の概略をまとめたものです。昨今、郷土史研究が盛んになるにつれて、これら山城への関心も高まっており、各々の城がどのような歴史的背景のもとに栄え、消えていったのか、また、庶民とのかかわりはどうであったのかなどについては、今後、各方面での調査、研究が待たれます。
広島市の山城を研究するには第一級資料ですが、古本としても入手は非常に困難です。
織田信長合戦全録 桶狭間から本能寺まで 中公新書
国別城郭・陣屋・要害台場事典
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出版社:東京堂出版
発行日:2002年7月初版
ページ数:661P
編集:西ヶ谷恭弘、日本城郭史学会
定価:6,800円+税
オススメ度:★★★☆☆
書評:
城郭事典と銘打つ書籍は多い。本書もその一冊に入るのだが、これまで刊行された城郭関係書籍とは大きく内容項目・構成が異なる。従来城郭遺跡でありながら、明治維新時に築かれた新しい時代のものとして、海岸埋立てや護岸工事、道路建設等により東京オリンピック前後から、昭和40年代以降に何の抵抗もなく消滅してしまった砲台場跡である台場を大きく取扱ってみた。台場は軍略上の拠点にあることから、その跡地は要塞として改築され、第二次大戦時まで陸軍省所轄であったものも多く、従来の城郭関係の書籍では取り上げにくい存在だったことも背景にある。
城郭250、陣屋250、要害等250、台場約1000を網羅した始めての総合城郭事典。


国別戦国大名城郭事典
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出版社:東京堂出版
発行日:1999年12月初版
ページ数:361P
編集:西ヶ谷恭弘
定価:3,800円+税
オススメ度:★★★★☆
書評:
戦国大名とその居城を綴った書籍は意外とない。戦国大名が活躍する時代が中世から近世へと大変革を遂げる時期であるからだ。畿内では総石垣づくりで天主建築が構えられた安土城や大坂城、聚楽城が出現する一方、東北の伊達氏米沢城、四国の長宗我部氏岡豊城のように土塁づくりで建物の様子が皆無の城と、戦国大名の居城は様々である。戦国大名も、その家中と被官たち、また領国経営の状況も実に様々である。さらに有名無名を問わず、研究の調査成果が各戦国大名により大きな差がある。一冊にして戦国大名とその居城を集大成するには、内容にどうしても格差が生じてしまうのある。
本書では、こういった格差をなるべく生じないよう、戦国史研究会と日本城郭史学会に所属する方々に、それぞれ調査、研究テーマに添った記述と内容構成をお願いして、編集刊行の運びとなった。事典という性格上、専門的な見解や学説の紹介はなるべく避けて、各戦国大名の最新の研究成果を踏えた概説にとどめ、居城の所在と状況を綴ることにした。本書は、先に刊行した「守護・戦国大名事典」の姉妹編である。

